大学院に行けば未来が開ける! KALS OB・OGの活躍 ~臨床心理編~

心理 尾上ふみさん

プロフィール

平成20年にお茶の水女子大学 人間文化研究科 発達社会科学専攻科 発達臨床心理学コース(修士課程)を修了。
臨床心理士として、練馬区保健相談所 心理相談員、神奈川県内小児科、聖母大学 非常勤講師(カウンセリング・発達心理学)に勤務。22年3月までは、杉並区児童相談所 心理判定員として勤務の経験もある。

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インタビュー

臨床心理士を目指すようになったきっかけから教えてください。

臨床心理士を目指したのは米国留学後ですが、家族を支援する仕事をしたいと思うようになったのは、もっと前でした。学部生時代、養護施設で出会った子どもたちと関わる中で、「どうしてこの子は人をコントロールしたがるのだろうか。」「どうしてこの子は突然私を怖がるようになったのだろうか」など、様々な疑問がわいてきました。
 また、学習塾のアルバイトをしていて、自分や受験勉強が子どもにどのような影響を与えているのだろうかと考えるようになりました。特に受験生の中には、急に来なくなってしまったり、円形脱毛症になってしまう子がいたり、友達をいじめる子がいました。またこのような子どもたちと関わっていく中で、親子間に葛藤があったりやコミュニケーションが乏しかったりすることがあることに気付きました。
 それから、子どもの発達と家族に関心を持つようになり、子どもと家族を支援する仕事をしたいと思い始めたのが、臨床心理士を目指すようになったきっかけです。

大学院入試をどうして目指すようになったのですか。

米国で薬物依存症カウンセラーのプログラム(薬物依存症と言っても、家族の問題や薬物以外の依存症の治療など、幅広い領域の勉強をしました)を修了し帰国後、日本で仕事を探しましたが、当時まだ依存症が今ほど認知されておりませんでした(実際、奨学金を取るための面接で、面接官に薬物依存症は日本ではあまり問題になっていないのではないかと言われました)。日本で問題を抱える家族を支援する仕事をしたかったので、かつてから興味のあった臨床心理士を取ろうと考え、大学院受験を目指しました。

KALSに通うことにしたきっかけを教えてください。

フリーターだったので、勉強のできる物理的な場所がなかったので、自宅に近いところで探しました。近くにいくつか該当するスクールがあったのですが、その中でも実績も出していて、がっちりカリキュラムの組まれていたKALSを選択しました。

KALSの教育システムや授業で印象に残ったことは何ですか。

とにかく先生方が丁寧に指導してくださったことです。適度な厳しさがあったので、強制されないとできない私のようなタイプにはかなり向いていました。特に心理学の授業では、細かい添削がとても勉強になりました。カリキュラムも充実しており、心理学初心者にも分かりやすい授業で、心理学概論、心理系英語や英語の授業は2回ずつ(春と秋)受けました。そのことで、理解度や定着度がかなり上がったと思います。

現在の職業でKALSの勉強や受験勉強が役立っていることはありますか。

KALSの勉強は臨床心理士の資格試験の時に非常に役に立ちました。もちろん、資格試験は大学院入試の知識では不十分ですが、基本的な知識をそのときにまとめていたノートや授業のときに使用したテキストは、資格試験の時に活用できました。

大学院生活ではどんなスケジュールでしたか。

入学した大学院では、1年目に全ての授業を履修し、2年目は実習と研究というカリキュラムになっていました。基本的にアルバイトは禁止されていましたが、経済的な理由から夜はアルバイトをしていたので、院生の2年間(特に1年時)はかなりタイトなスケジュールをこなしていました。

大学院に通ったことが、現在の職にどのように役に立っていますか。

始めは資格取得のために選択した大学院でしたが、今となってはそれは付加的なものにすぎませんでした。大学院では教授や先輩たちに恵まれ、様々な経験をする機会を与えていただきました。授業で学んだことももちろんですが、それ以上に実習や研究を通して、様々な人と出会い指導を受けることができたことが、現在臨床を行っている上で、最も役に立っていることです。

現在の職務の内容とそのやりがいについてお聞かせください。

現在は、小児科領域での心理査定とカウンセリングと教育現場で心理学を教えています。小児科領域では、主に乳幼児健診におけるスクリーニングと経過観察、発達障害や不登校や虐待などの問題を抱える子どもとその家族の支援を行っています。何が起きているのか分からず、毎日子育てに奮闘しているお母さんやご家族、また学校に行けなかったり友達とうまくいかずに悩んでいる子どもと、何が起きていて、どうしていったらよいのかを一緒に考えていくのが私の仕事です。もちろんすぐに辛い時期を抜け出せるわけではないけれども、そのプロセスの中で患者やそのご家族が少しずつ変わっていく姿を見ることができたときにやりがいを感じます。

これからの目標についてお聞かせください。

臨床心理士の仕事は人の生き方を考えていく仕事であるため、自分の生き方にも向き合わなければならなくなります。また、仕事の結果が明確に現れるものではないので、職業人として自信を失ったり、辛くなったりします。それでも、きっと数年後、数十年後には自分のしてきたことに自信が持てる時がくると信じながら毎日真剣に患者と向き合っていきたいです。そして、早く一人前の臨床心理士になることが目標です。

最後に後輩へのメッセージをお願いいたします。

「志あるところに道はある」
私はこの言葉を信じています。私は高校生のころから臨床心理士に憧れていましたが、自分が理系であることから無理だと諦めていました。それを大学2年生の時に、後輩から「先輩はいつも『~になりたい。~したい。』と言っているだけで、何もしていない。」と言われ目が覚めました。それからなりたい自分に向ってがむしゃらに行動し、チャレンジしてきました。ずいぶん遠回りもしましたが、それらすべてが今の自分、そしてこれからの自分に必要な経験、勉強だったと思います。みなさんも「なりたい自分」があるのなら、諦めずにチャレンジしてみてください!