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【2016春VER.】小論文・口頭試問対策!

チュートリアル通信
「税法」科目免除大学院チュートリアル通信。「税法」科目免除大学院 試験合格者が試験対策や試験情報などを皆様に教えるコンテンツ。
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、試験対策や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、税法関連の小ネタなど、
皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
河合塾KALS 税理士「税法」科目免除大学院 講座

第9回 小論文・口頭試問対策



研究計画書を作成し無事出願が完了すると試験日までの間に小論文や口頭試問の準備をする必要があります。


小論文対策①:小論文テストの目的

大学院受験で、小論文が課されるのは、研究計画書と合わせて、2年後、修士論文を書く力があるのかを評価することです。具体的には、以下のような点を評価しています。配点が高いと思われる順に並べています。


大学院試験、小論文、研究計画書の配点

このように、小論文には、いくつの採点要素があります。未知のテーマなどに出合ったとき、何を問題と捉え、そして、資料を与えられていたら、なぜ、その資料があるのか出題者の意図を考え、その上で、個人的な結論を見出し、意欲的にかつ客観的にその結論に至る、その論述力が総合的に問われているといえます。

小論文対策②:過去問研究

(1) 基本
客観テストが中心となる大学などの入試と比べて、大学院入試では、出願者の個性を探ろうと個性的な出題を目指している印象を受けます。そのため、まずは、志望校の過去問を検討することが対策の基本となります。まずは、志望校の過去問を収集し、模範解答を必ず作成してください。

(2) 一行問題
「合法性の原則について述べよ」などのような一行問題の場合は、「意義」「目的・機能・根拠」「論点」「関連する判例」について、簡潔に800字程度でまとめておきましょう。
(3) 事例問題

判例などの簡単な説明を下に、「あなたならどのような判断をするか、根拠を挙げて簡潔に述べよといった問題の出題が多い場合は、過去問を解くほか、租税百選などで比較的新しい判例を選んでそれについて、同様の質問があった場合にどのように解答するのかをまとめてみてください。代表的な判例の知識が増えると同時に、説明に必要な基礎知識をまとめる機会にもなります。しかし、このような問題の場合は、重要な判断の要素は問題の中に与えられていることも多いので、しっかり出題者の意図を読むようにしましょう。


小論文対策③:解答方法

(1) 問題の読み取り(解読力=指示に従う)

問題に向かうときには、以下の点に気をつけてください。
①  何が求められているのか
②  与えられた資料を如何に使うか

出題者の質問していることに解答できていれば、まず、大きな減点対象になりません。また、税法問題であれば、条文や通達が資料として与えられていることもあります。資料が与えられているということは、「この資料を使ってください。」という指示だと考えなければなりません。求められている点に触れ、指示に従っている限り、多少間違っていても、合否に致命的な影響を与えないともいえそうです。

(2) 書きだす前の準備

出題者の意図がわかり、それに対しての自分の意見もおおよそ見当がついても、いきなり書き始めず、制限時間の1割程度の時間を割いて、「マッピング・メモ」「アウトライン」を作成しましょう。
①「マッピング・メモ」
書きたいことを単語で書き出す。十分書き出したら、関連するものは、線でつなぎ、重複するものは、削除する。
②」「アウトライン」
マッピング・メモを3つから4つ程度のグループに分け段落とする。その上で、書く順序を決める。

(3)書きだし

以上の準備が整えば、自分の読み取った解答の指示に対応する文章を書いたうえで、自分の意見を積極的に述べてください。社会人の場合には、自分の経験とその問題を結び付け問題提起しさらにそれを解決する方法の提案があるとよいでしょうし、経験の少ない方であっても積極性のあふれる意欲的な解決策の提案などは望まれるところでしょう。
以上のような点を注意しながら、マッピング・メモで書き出した単語などの漏れがないように書きあげてください。


口頭試問対策①:基本的対応

口頭試問では、多くの場合、研究計画書の内容や志望動機など出願書類の内容をベースに質問が行われます。質問に対しては、その試験官の方に向き直って、相手の目を見て回答しましょう。また、志望動機などは、充分な準備をして迷いなくかつ情熱的に相手に訴えかける内容になるよう準備しましょう。


口頭試問対策②:難しい質問があった時の注意

研究内容について、いくら充分な準備をしても、相手はプロです。解答できないような質問はいくらでもできます。難しい質問で動揺して力が発揮できなければ残念です。そんな時の身の処し方も考えておくことが重要となります。
一般的に、難しい質問でわからない時は、相手から、視線を外そうとし、また、困っている様子を見せることで、相手が助け舟を出すことを求めることが多いような印象を受けます。

逆に通常余裕がある時にはどのような反応をするか考えてみましょう。例えば、小さな子供が「赤ちゃんはどうしてできるの?」と質問して来たらあなたはどんな反応を示すでしょう。即答するでしょうか?むしろ、頭の中を整理し、相手がわかるように話す内容を検討したうえで、一呼吸おいて「それはね。。。」って話すのではないでしょうか。

困ったときには、「少し時間をください。」とでもいったうえで、一呼吸おいて、話し出すようにしましょう。思慮深く、客観性のある思考力をもつ印象を与えます。

終りに:チェリー・ピッキング

センター試験の翌日、大雪の中、2泊三日の札幌出張。出発時には空港までの電車もおくれ、「欠航」便もある中、私の飛行機は1時間遅れで出発。幸い仕事に問題はありませんでしたが、その夜は、北海道でも一晩で1メーターと記録的な大雪。実は、そんなすごい雪を眺めながら札幌のホテルでこの文章を書いています。明日は東京に帰れるのかが心配です。

このシーズンは例年インフルエンザの流行も心配ですね。受験者本人だけでなく、家族の負担を考えると、天候やインフルエンザのある2月3月のこの時期を避けて入試があるといいなと切に思います。皆さんも健康に気をつけて、試験の際には、早めに会場に到着するようにしてくださいね。