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大学院受験に必要なこと

チュートリアル通信
「税法」科目免除大学院チュートリアル通信。「税法」科目免除大学院 試験合格者が試験対策や試験情報などを皆様に教えるコンテンツ。
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、試験対策や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、税法関連の小ネタなど、
皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
河合塾KALS 税理士「税法」科目免除大学院 講座

 大学院受験に必要なこと



これから、皆様の大学院合格までの期間、チューターをさせていただく大木と申します。授業で分からなかったことや、受験に関する不安、研究計画書の作成のヒントなど、さまざまな、質問にお答えするために毎週土曜日の講義の後、新宿校にお伺いしています。今年の秋受験のためにこれから、毎月2回のペースでこのチュートリアル通信を発行し、皆様のお役に立つ情報を発信していこうと思います。

大学院受験に必要なこと

税法免除目的で大学院を目指しKALSにきたものの何をしたらよいのか良く分からない方のほうが多いと思います。講義を受講しながら、少しずつわかってくると思いますが、まずは、大学院受験のために最低限必要な準備について、簡単にまとめてみましょう。

(1) 税法研究の基礎知識の取得
 税法免除が期待できる大学院とは「税法」の授業が開講されていて、「税法」の修士論文の指導を受けることができるところです。従って、入学試験には、「税法」の基礎力確認のためのテストが行われます。

(2) 研究計画書の作成
 研究の準備をしていることを示すために願書と一緒に大学院で研究する内容を示した「研究計画書」を作成します。そのためには、税務訴訟の判決をベースにした基本的な研究が必要となります。

(3) 大学院志望動機の発見
 大学院受験の現在の目的は、「税法の2科目免除」だと思います。しかし、大学院側では、「税法の研究者」を求めて入学試験を行います。なぜ、税法を研究しようと思っているのかの説明が求められます。

KALS「租税法」講義の目的

以上を踏まえて受講生から見たKALSの「租税法」講義の目的について、考えてみましょう。大きく分けて次の3つになると思います。

(1) 租税法の基礎知識の取得
(2) 代表的な判例の検討を通して、問題意識の持ち方と法解釈の基本を学ぶ
(3) 研究計画書のベースとなる判例を選択する

(1) 租税法の基礎知識の取得

租税法どころか、法律の初学者ですと、まず、面食らうのは、分厚い、金子宏の『租税法』ではないでしょうか。租税法の世界では、バイブルのような存在になっています。授業でも、これを使用し、税法の基本原則から、各税法について受験に必要な知識を学びます。しかし、テキストは、かなりの分量があって、講義に合わせて全部読むのは、結構骨折りです。そこで、時間のない方は、金子宏『租税法入門』(有斐閣,第6版,2007)を通学の途中の時間を利用して読み、詳しく知りたいところを中心に、テキストを読むという形を取ってはいかがでしょう。受験についてのみであれば、これで対応可能です。
そのほかに、青山学院の三木教授の三木義一『よくわかる税法入門』(有斐閣選書,第8版,2014)も良いでしょう。

(2) 代表的な判例を通して、問題意識の持ち方と法解釈の基本を学ぶ

税法上の問題意識とはどんなものなのか、あるいは、法律の解釈の基本を知るには、20回の「税法」の講義と「演習」の講義を受講していただくことで十分対応ができます。修士論文や研究計画書は、論文にふさわしい問題意識をスタートにしていなければなりませんが、講義では、毎回、判例をスタートとした重要な問題意識、あるいは、重要な論点をベースとしています。それ以外にも論文の書き方はありますが、もっとも、基本的な方法ですので、しっかり、勉強しましょう。

(3) 研究計画書のベースとなる判例を選択する

毎回の講義では、いくつかの重要な租税裁判について学習します。そこで扱った判例の中から、興味のあるものを研究計画書のテーマとして選択していただきます。研究計画書の作成などを考えると、最初に、「面白そう」と思ったもので、自分に何らかの関係があるものが見つかれば、もう、迷わず選択されるといいと思います。その後は、個別指導を通じて、適切な計画書が作成できますので、安心してください。また、自分に関係しているテーマを選択すると、面接などの際にも説明がスムーズになります。

大学院志望動機

受験準備で、あと、一つ漏れているのが「大学院志望動機」の発見です。本当は、志望動機があるから受験するのに、順番が逆になっている気もします。そのため、志望動機の「発見」としています。
講義やカウンセリングあるいは、チュートリアル通信の中で、参考になることに触れていくことになりますが、皆さんのこれまでの経験を踏まえて個性や意欲を示すところです。「訴訟にも対応できる税理士になりたい。」「専門性を高め顧客拡大につなげたい」など将来になりたい自分を描きながら、受験までの時間の中で、しっかり見つけてください。


志望校に合格するためには、「何をすればいいんだろう。」「これで、大丈夫なんだろうか。」「みんなはどうしているんだろう。」などなど。不安いっぱいな中で、受講が始まると思います。そんなことに対しての不安を解消するのが、講師やチューターの役目です。チュートリアル通信では、その不安解消の一助となるように毎号役立つ情報を提供していくつもりです。お時間があれば、是非、カウンセリングにもおいでください。