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心理・チュートリアル通信「語句説明&論述問題攻略のポイント」(2)

2022年度
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
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語句説明&論述問題攻略のポイント(2)

名駅校チューター:吉田 

こんにちは。KALS名駅校、心理系チューターの吉田です。
6月が終わりに近づき、今年も暑い夏がやって来そうな予感がしますね!早いところだと、6月の終わり頃から願書を出し始める大学院もあると思います。皆さんは、そろそろ論述対策なども始めていく時期でしょうか。さて今回は、そのような論述対策なども含めた「専門科目の勉強方法」というテーマで、お話しさせていただきたいと思います。

【①過去問のチェック】

受ける大学院がある程度絞れてきた段階で、できるだけ早めに過去問を入手できると良いのではないかと思います。早いうちに一度でも過去問に目を通しておくことで、どこを目指して勉強すると良いのか、今後の勉強の方向性が立っていくと思います。最終的にどのような形でアウトプットができるようになる必要があるのかということを意識してインプットに取り組めると、より効果的な勉強ができるのではないかと思います。過去問は、KALSで閲覧することもできるので、是非活用していってくださいね!

【②用語ノート作成】

まずは、知識をインプットするために、用語ノートを作ることに力を入れていました。ここからは、用語ノートを作る方法をご紹介していきたいと思います!

  1. 専門用語の選択
    重要な専門用語(テキストで太字になっているような専門用語)について、ノート1ページに1用語ずつまとめていきます。私の場合は、まとめていく重要な専門用語として、KALSの授業テキストに“重要用語”として記載されている用語や、講談社の「公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10 & キーワード100 心理学編」のキーワードとして記載されている用語をまとめていました。皆さんも、そのようなテキストをベースにしながら、自分の受ける大学院で多く出題されそうな分野では扱う用語を広げたりと、工夫されてみると良いかと思います。
  2. 使う参考書
    また、用語ノートを作る際には、KALSのテキストなどをメインに合計2〜3冊程度の参考書を使います。私の場合、心理学には、有斐閣の「心理学」や東京大学出版会の「心理学」等を用いました。そして臨床心理学には、有斐閣の「臨床心理学」やミネルヴァ書房の「よくわかる臨床心理学」等を用いました。使う参考書は皆さん自身が気に入ったもので大丈夫ですが、上述した参考書は、内容の充実性や構成から、テキストとして使いやすくてオススメです。
  3. まとめ方
    用語ノートに書く内容としては、まず各用語の定義、そして、提唱者や研究などその用語を説明する内容を、箇条書きで書いていきます。なかなか時間を必要とするものですが、書くだけの“作業”にはならないよう、一つ一つの用語への理解を深めながら、後から見返せるよう“記録”していくイメージでノートを作成していけると良いのではないかと思います。ここでも、受験する大学院の傾向に合わせて、出題されやすそうな箇所では、より詳しめにまとめていくと良いでしょう。
  4. その他のポイント
    とはいえ、用語ノート作りは時間のかかるものなので、用語ノート作成にあまり時間が取れない方もいらっしゃるのではないかと思います。そういう場合は、1周目ですべてまとめ切ろうとするのではなく、まずは1冊の参考書をまとめるなど、簡単に一通りまとめておくだけでも良いです。その後、問題演習などを行う中で、出てきた用語についての書き込みを増やしていくなど、用語ノートを徐々に充実させて行けると良いのではないかと思います。
【③アウトプットの練習】

用語ノートを作り終えたら、それを見返して知識を定着させていくと良いと思います。しかし、ただ見返すだけではなかなか頭にインプットされないかもしれませんね。そこで、ノートを見ずに紙に書いて一つ一つの用語について想起してみたり、誰かに伝えることをイメージして空で説明してみたりして、アウトプットの練習をすると良いと思います。実際に友達や家族に説明して聞いてもらうのもオススメです。心理学を学んでいる相手なら、お互いの勉強にもなりますし、そうでない相手でも、知らない人に分かりやすく説明することで、なおさら力がつくと思います。このようにアプトプットしながら、用語ノートを頻繁に確認すると、より定着しやすいのではないかと思います。

また、総合論述といった、用語説明だけでなく複合的な視点を求められる論述問題の対策としては、基本的にKALSの授業の中にある、臨床心理論述演習の授業テキストを用いて練習していました。授業内で扱われた問題を家でもう一度解いてみたり、扱われていない問題も解いてみたりすると、とても力がついてくると思います。論述問題はやはり、ただ解説を読むだけの勉強よりも、実際にアウトプットを行って練習する方法が、力が付きやすいのではないかと思います。また、講談社の「公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10 & キーワード100 院試実践編」なども、論述対策に役立つ参考書としてオススメです。

私がご紹介する、専門科目の勉強方法は以上です。いかがだったでしょうか? 何か特別なことをする必要はありませんが、受験する大学院の“傾向”と合わせて、自分の“段階”や勉強に取れる“時間”から、自分に合った勉強法を見つけていけると良いですね。ご紹介したのは勉強方法の一例ですが、皆さん自身に必要な勉強法は何かを見直すきっかけにしてみてもらえると嬉しいです。それでは、初夏の寒暖差に気をつけて、皆さんのペースで頑張ってくださいね!