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心理・チュートリアル通信「実力診断テスト(1)」

2022年度
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
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実力診断テスト(1)

名駅校チューター:落合 


みなさんこんにちは!名駅校チューターの落合です。暑い日が続いてますね。加えて今年の夏は雨が降ったり止んだり、不安定でいやになっちゃいますね。体調管理にも気をつけながら、受験勉強に励んでくださいね。
さて、今回は「実力診断テストの活用法について」です。頑張って受けたテストも、受けっぱなしにしていてはもったいないです。時間(とお金?)をかけて受けたテストですから、しっかり見直して、元を取っちゃいましょう。

①実力を「診断」しよう

ところでこのテストの名前、「実力診断」という言葉に恐怖を覚えていませんか?「うわー…自分の実力が診断されてしまう〜」と…。しかし、そう、「診断」なんです。「評価」ではありません。これまで受けてきた「テスト」と呼ばれるものは、みな成績を決めるものであったり、合格不合格があるものだったのではないでしょうか。そうやって私たちは「テスト」という言葉を恐れるようになっているのかもしれません。しかし、KALSの実力診断テストは、これで皆さんに成績をつけたり、良し悪しを決めたりするものではありません。受けた人自身が結果を見て、自分の勉強の進み具合の特性を知り、今後の勉強に活かすためのものなのです。そういう意味では、学校のテストというよりも、今皆さんが勉強している「心理検査」に近いかもしれませんね。「実力診断検査」。どうでしょうか?え?「診断」て言葉は心理職はあんまり使わないって習ったんですか?じゃあ「アセスメント」にしましょうか。「実力アセスメント検査」。どうでしょう。まだプレッシャーを感じますか?なるほど。心理検査実施前の常套句に「良い悪いをみるものではありません」「上手い下手を見ている訳ではありません」というのがあります。でも、そんなこと言われたって、やっぱり自分を知ることって怖いんですよね。このテストの見直しが怖いと感じているのであれば、そんなクライエントさんの気持ちに寄り添える良い心理職になれると思います。「なんか嫌だな」という気持ちをマインドフルに感じながら、テストの見直しを行ってください(笑)。

②自身の得意不得意を把握しよう(過去問とも比べてみよう)

すみません、話が脱線しました。実力診断テストを受けた後の、復習のコツを少し話していきたいと思います。「実力診断テスト」改め「実力アセスメント検査」ですから、まずは自分の特徴を掴むようにも解答用紙を眺めてみましょう。比較的スラスラと答えられた問題と、難しかった問題があるのではないでしょうか。それは、得意な分野、苦手な分野があるからでしょうか。それとも用語の意味などをより深いところまで理解できていなかったからでしょうか。前者であれば、横の広がりを意識していく(さまざまな分野の知識を増やす)必要がありますし、後者であれば縦の広がり(各分野をより深掘りして知識を増やす)を意識する必要がありそうですね。受験する大学院の過去問からも考えてみましょう。解けなかった分野が受ける大学院ではほぼ出題されないような分野ならそこまで気にする必要はないかもしれません。知識は横にも縦にも広げようと思えばとんでもなく広げることができてしまいます。過去問も加味して、どの分野をどれくらいの広さ、深さで勉強する必要があるのかを見てみましょう。
また、自分の回答のクセなどもわかるかもしれません。例えば、前半はほぼノーミスなのに後半にミスが多い、とか。前半に時間を割きすぎて後半の論述がテキトーになってしまった、とか。そういうところからも、まずは事例問題から解こう、とか、自分に合った戦略を、練っていくことができると思います。

③ネットワークを広げる意識で知識を増やそう

先ほど、知識を横に広げるか、縦に掘るか、というような事を書いたと思います。この時、さらにネットワークを広げていく、という意識を持つと良いと思います。テストの見直しをして、改めて用語について調べていると、「あ、この用語はこの用語とかんれんがあったのか!」など気づくことがあります。このような現象が起きたら儲けもんです。問題文を読んだときに、どれだけのキーワードが頭の中に浮かんでくるでしょうか。一つのキーワードから、あらゆる用語を連想することができるようになると、論述問題も楽しくなってきます。ここからの勉強では、そんなことも意識しながら知識を少しでも増やしていってください。
また、知識を縦に掘る、という時に、「過去問を解けるくらいの深さ」というのが一つというのは先ほど書いたと思います。もう一つ、余裕があれば自分の得意分野を作ってみてもいいと思います。「この分野の問題なら、他の受験者より書けるぞ」といったようなことです。まあでもその分野のことが試験に出るとは限らないのでテキトーにヤマをさるのはオススメできません。そこで私がオススメしたいのが、自分の研究計画の周辺分野についてはマスターしておく、ということです。自分がこれから研究したいと思っていることなのですから、他のことよりは深めにやる事が苦にはならないのではないでしょうか。また、これはそのまま面接対策にもなります。つまり、そのあたりをしっかり勉強しておく事は、もし試験にはあまり出なかったとしても、面接で深みを出すことには役に立つのです。余裕がある人はそれもオススメします。

いかがでしたでしょうか。「実力診断テストの活用法」について書こうと思ったのですが、脱線しすぎました。ただ、私が伝えたかった事は、ほぼ、①のことです。これまで心理学を楽しく勉強できていたのに、試験が近づいてきたり、意識しすぎると、なかなか身が入らなくなる、ということがあります。そのような経験を味わう事は、実は今後、心理職として活躍していくためにも決して無駄な経験ではないと思います。それでもしんどい時は先生やチューターに頼るのもありですよ。それでは!