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チュートリアル通信第18回 認知行動療法を学べる大学院は?

チュートリアル通信
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
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第18回 認知行動療法を学べる大学院は?
河合塾KALS臨床心理士指定大学院講座

新宿校チューター : 今井美沙


今回は“認知行動療法を学べる大学院”についてです。認知行動療法は、前回取り上げた発達障害と同様、現在の臨床心理学の中でも非常にホットなトピックです!KALS受講生の方の中にも「認知行動療法をやりたい!」「認知行動療法を学べる学校に行きたい!」という方が多い印象を私も受けています。そこで、認知行動療法を学べる大学院を今回はまとめていきたいと思います(*^^*)志望校選びで迷っている方、良かったら参考にしてください!

認知行動療法とは?

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy:CBT)とは、精神分析・人間性心理学と並んで主要な心理療法と称されています。行動療法と認知療法という2つの源流を持ち、これらを認知・行動の変容のために効果的に組み合わせたものを総称して呼びます。現在臨床心理学の分野では、“エビデンス・ベースド”という実証に基づいた療法が重視されていますが、認知行動療法はその第一線として実証・効果研究が行われていて、うつ病や不安障害に効果があることが既に明らかになっています。
 
また、最近は“第3世代の認知行動療法”とされる流派も出てきています!第3世代は、“マインドフルネス”という禅の考えから生まれた意識の在り方を主軸としながら、様々な考えを取り入れていることを特徴としています。認知行動療法は、1つの技法を指すものではなく、様々な技法がこの分類に含まれています。今も本当に多くの技法が開発されていて、今後の進歩も期待されています!それに伴って臨床現場でも心理士に「認知行動療法をしてほしい!」という声が高まってきているのが現在の状況です。

<認知行動療法の技法例>
ソーシャルスキル・トレーニング(SST)/主張訓練法(アサーション・トレーニング)/自己教示訓練/ストレス免疫訓練/マインドフルネス認知療法/弁証法的行動療法/スキーマ療法/アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)

認知行動療法を学べる大学院は?

そんなこんなで注目が集まっている認知行動療法ですが、どの学校に専門とされている先生がいるのでしょうか?今回は、認知行動療法を専門としている先生がいる学校をまとめていきたいと思います!尚、今回は関東近辺の学校に限定させていただきます。あらかじめご承知おきください。

○早稲田大学大学院

早稲田大学大学院は、認知行動療法をご専門とされている先生が非常に多いという特徴があります。また、院全体の雰囲気も“エビデンス・ベースド”を重視している印象があります。一人一人の先生が専門にしている技法や対象には違いがあるので、まずは著書や論文をチェックしてみましょう!

○川村学園女子大学大学院 

佐藤哲康 助教授
[研究テーマ]大学生の人間関係や自己表現に関するアセスメントツールの開発、個別また集団を対象にしたアサーション・トレーニングの実践と消極的なコミュニケーションの変容
[主な著書] 人生哲学感情心理療法入門 アルバート・エリス博士のREBTを学ぶ 日本人生哲学感情心理学会/2013

○聖徳大学大学院

菅沼憲治 教授
[研究テーマ]アサーティブ行動の査定及びアサーティブ行動トレーニングに関する研究。REBT(人生哲学感情心理)と人生哲学感情教育に関する臨床心理学的研究
[主な著書・論文]
・アクティブラーニングに関する実践的研究―中高齢者のアサーティブネス・トレーニングを対象として― 聖徳の教え育む技法:(FD)紀要/2013
・自己主張トレーニング 改訂新版 東京図書/2008

○桜美林大学大学院
 

小関俊輔 専任講師
[研究テーマ]認知行動療法/特別支援教育(キーワード:認知行動療法,児童生徒,集団介入,社会的スキル訓練,認知的再体制化,発達障害,被災者支援,学校適応)
[主な著書・論文]
・学校の統廃合に伴う児童の抑うつおよび心理的ストレス反応に対する認知的介入の効果 認知療法研究/2014
・小学生に対する抑うつ低減プログラムの開発 風間書房/2010

○駒澤大学大学院 

有光興記 教授
[研究テーマ] 感情心理学(特にあがり・罪悪感・誇りなどの自己意識的感情についての基礎および応用研究)/認知行動療法
[主な著書・論文]
・「あがり」は味方にできる メディアファクトリー/2010
・広汎性発達障害を持つ7歳女児に対する特殊音節の読み・書きの行動的介入 駒澤大学心理臨床研究/2009

○昭和女子大学大学院

山崎洋史 教授
[研究テーマ]臨床心理学/カウンセリング心理学/学校教育相談/学生相談/産業カウンセリング/教育心理学/マスタリーラーニング/学習支援/教育技法(キーワード:臨床心理学,教育心理学,教育技法,認知行動,カウンセリング,学校教育相談,学生相談,産業カウンセリング)→これらを基礎としながら、教育・産業臨床場面に応じたエビデンスベースド・カウンセリングの実践と深化。
[主な著書・論文]
・青年期食行動異常と認知行動的セルフモニタリング 学文社/2015
・悩み疲れる教師をすくう校長・教頭の支援術-問題解消に向けた管理職の役割と組織的サポートの実践 教育開発研究所/2012

○創価大学大学院

園田雅代 教授
[研究テーマ]カウンセリング・心理療法の実践的研鑽とその理論的構築/自尊感情ならびに自他相互尊重の意識を育成する自己表現トレーニング/個人ならびに家族の生涯発達論
→アサーション・トレーニングの研修なども多く行われている先生です。
[主な著書・論文]
・イラスト版 子どものアサーション・トレーニング:自分の気持ちがきちんと言える38の話し方 合同出版/2013
・臨床心理学とは何だろうか―基本を学び、考える 新曜社/2011

○東京家政大学大学院

福井 至 教授
[研究テーマ]認知行動療法/産業領域
[主な著書]
・心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート ナツメ社/2015
・60のケースから学ぶ認知行動療法 北大路書房/2012
・社交不安症(社交恐怖)[社交不安障害]の集団認知行動療法 認知療法研究/2015

○東京成徳大学大学院

根津 克己 准教授
[研究テーマ]認知行動療法に関する基礎研究/対人不安に関する研究/学生相談/ソフトウェア開発技術者のストレス/カウンセリング
[主な著書・論文]
・コンピューター技術者のストレス要因―回避性人格傾向との関連― 東京成徳大学臨床心理学研究/2003
・最新の新入社員の特徴・傾向 心とからだのオアシス/2009

○法政大学大学院

金築 優 教授
[研究テーマ]臨床心理学/認知行動療法
[主な論文]
・感情への恐れとストレス反応の関連性―日本語版、Affective Control Scaleの作成を通して 感情心理学研究/2010
・大学生の心配に対するメタ認知に焦点を当てた認知に焦点を当てた認知行動的介入の効果 感情心理学研究/2010

○武蔵野大学大学院

城月健太郎 専任講師
[研究テーマ]臨床心理学/認知行動療法(キーワード:不安障害,気分障害,認知行動療法.ストレス科学)
[主な著書]
・社交不安障害の個人認知行動療法プログラム 風間書房/2012
・自分で「ストレスケア」ができる本 図解+書き込み イメージでつかめる「うつ」と「不安」(Kindle版) ブックビヨンド/2015

○明治学院大学大学院

中井あづみ 准教授
[研究テーマ]臨床心理学/認知行動療法(産業関係のメンタルヘルスにも関心)
[主な著書・論文]
・怒りの心理学 第9章「スキルトレーニング―適切なコミュニケーションを身につける」有斐閣/2008
・怒りと怒りの禁じ概念の操作的定義の異動および怒りの操作的定義に影響を与えた要因 心理学紀要(明治学院大学)/2012

○明星大学大学院

竹内康二 准教授
[研究テーマ]発達臨床心理学/応用行動分析学
[主な著書・論文]
・障害科学の研究法(シリーズ 障害科学の展開 障害をとおしての人間理解、共に生きるための障害支援)明石書店/2009
・音楽療法士のためのABA入門―発達障害児への応用行動分析的アプローチ 春秋者/2006
・重度知的障害児へのビデオフィードバックを用いた行動支援―自由遊び場面での不適切行動の修正から― 明星大学心理学年俸/2014

○目白大学大学院

高橋稔 准教授
[研究テーマ]応用行動分析/Acceptance and Commitment Therapyの技法の効果検証/不安体験中の主体的行為
[主な著書・論文]
・ACTハンドブック 星和書店/2011
・治療関係とACT こころのりんしょうa・la・carte/2009

原田隆之 准教授
[研究テーマ]犯罪,非行,アディクションに対する認知行動療法の実践と研究
[主な著書・論文]
・入門 犯罪心理学 ちくま新書/2015
・アルコール依存症に対する認知行動療法が飲酒アウトカムに及ぼす効果の検討 日本アルコール・薬物医学会雑誌/2014

○神奈川大学大学院

瀬戸正弘 教授
[研究テーマ]臨床心理学/健康心理学/認知行動療法/ストレスマネジメント/心理アセスメント(心理検査)
[主な著書・論文]
・60のケースから学ぶ認知行動療法 北大路書房/2012
・論理情動行動療法に基づいた女子大学生用抑うつ低減プログラムの作成とその効果に関する研究―CES‐D,IBQ,ATQ-R,DSS, TEGII,バウムテストなどによる多面的評価(1)― 安田女子大学心理教育相談研究/2009

杉山崇 教授
[研究テーマ]臨床心理学(心理療法・カウンセリング)/応用社会心理学/産業心理学/感情・認知パーソナリティ心理学(キーワード:心理療法(基礎心理学も含めた)の統合,うつ病と人間関係,認知行動科学,教育相談,学生相談,キャリア相談)
[主な著書・論文・学会発表]
・記憶心理学と臨床心理学のコラボレーション 北大路書房/2015
・認知療法における来談者中心療法的な治療的態度の意義について―認知再構成法と広義の精神分析的心理療法との理論的接点と人間観 山梨英和大学心理臨床センター紀要/2006
・摂食障害の認知療法 日本認知療法学会・日本摂食障害学会合同大会/2014



いかがですか?一人一人の先生の専門分野は、よくよく見ていくとかなり違いがあります。その中で自分の関心や研究テーマに合った先生を選んでいくと、ずいぶん絞れてくると思います!試験問題や学校までの通いやすさ、カリキュラムが合っているかなども含めて総合した視点で検討してみるといいでしょう!また、心理療法は認知行動療法以外にも、多くの流派があります。完璧な技法というのはなく、皆さん様々な技法を組み合わせてクライエントの要望に応えているのは実情です!皆さんも色々な技法をまずは学んで、自分に合った取り入れ方をしていってくださいね(*^^*)

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