2018年MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信第6回 国内MBA合格者が語る!過去問の傾向分析と英語対策

チュートリアル通信
国内MBA合格者が、試験の仕組みや国内MBA対策、MBA取得後などについて語るチュートリアル通信
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。

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第6回 過去問の傾向分析と英語対策

皆さん、こんにちは。この時期になると研究計画書の作成も同時に進めていかなければならず、焦りや不安を感じる方も多くいらっしゃるようです。
しかし、絶対に焦ってはいけません。この時期はまず、焦りを生み出す原因が何であるのかを追求してみましょう。例えば、英語の場合、「単語力なのか or 長文の読解力なのか?」といったことを自問自答することで、自分のやるべきことが自ずとみえてきます。

今回は、皆さんから質問の多い過去問と英語の対策について、これまでのチュートリアル通信も踏まえながら、お話していきたいと思います。

◎過去問の傾向分析
国内MBAの大学院受験を考えるにあたり、重要なことは過去問を解くことです。

「なぜ過去問なのか?」

それは、過去問から作成者の意図を読み取ることができるからです。作成者は、試験を通じて、「知識」、「論理的思考能力」など、様々なことを受験者に要求します。要求を通じて、大学院に入って必要とされる「単位修得能力」や「論文執筆能力」、また、強い「目的意識」を維持する能力を有しているかを見定めようと考えているのです。ところで、求められる能力は志望される国内MBAによって若干異なります。そのため、志望する国内MBAの過去問に目を通すことで、作成者の意図をきちんと把握することが重要となります。

また、過去問は人間が作成する以上、問題に多くの偏りが目立ちます。これが「傾向」と言われるものです。特に、近年の過去問は、指導教員の構成などの影響で、様々な傾向が見られます。過去問を解くことは、その傾向に慣れるための近道となり、限られた時間内で問題を解答する訓練として最も適した学習方法だと言えるでしょう。特徴や傾向に注意しながら、多くの問題に慣れていくことが大切です。
もちろん、KALSで使用されているテキストを用いて、本番を意識した訓練を行うことも重要です。KALSのテキストは国内MBA各校の過去問だけでなく、それらを参考に作成されたオリジナル問題を取り混ぜて編集されているため、受験対策を行うにはうってつけの教材と言えるでしょう。

従って、あまり多くの教材に手を広げずに、過去問から志望する大学院の傾向を押さえた勉強を進めることが、受験まで必要となります。「受験まで何を習得すべきなのか」皆さん自身で整理して、対策を立てていきましょう。


◎英語の対策について
試験科目として英語を課している国内MBAを志望される方は、英語対策が必要となります。国内MBAによって出題形式が異なりますので、ここでは出題形式ごとに説明したいと思います。

1. 独自のテストを実施するケース

一橋大学大学院や神戸大学大学院など、英語の筆記試験を課す国内MBAでは「リーディング」、すなわち長文読解問題に慣れることが重要となります。皆さんの現在の英語力に合わせ、単語・文法の習得訓練を何らかの形で一日のスケジュールに組み込んでいきましょう。
また、出題される問題は、最近のトピックや過去の代表的な出来事を取り扱った内容であることが多く、そのためMBAであれば、それら出題傾向にある内容を扱った英語長文に慣れておく必要があります。KALSの「MBA英語」テキストを中心に、英文記事やコラムにも目を通しましょう。ただし、苦手意識のある方は、あまり手を広げずテキストを繰り返し解く方が、実力がつきます。ご自身の実力に合うスケジュールで取り組みましょう。さらに、「MBA論述ファンダメンタル」や「MBA国公立・KBS対策」で学んだ内容が出題されるケースも多いので、小論文対策も有効に活用しましょう。

2. 外部テストのスコアを提出するケース

東京工業大学大学院や京都大学大学院などでは、TOEICやTOEFL、IELTSなど外部テストのスコアの提出を求め、筆記試験に代替しています。これらの国内MBAを志望する方は、事前に当該外部テストを受験する必要があります。出願時に外部テストのスコアシート(原本)の提出を求められるため、出願までにスコアが提出できるよう、入念にスケジュールを組み立てていきましょう。
どの外部テストを利用するかは志望者に委ねられています。筆者の個人的見解ですが、スピーキングやライティングが課されていないTOEICのほうが、TOEFL、IELTSより負担が少ないと考えられます。ただし、京都大学大学院(一般選抜)では、昨年度よりTOEFL、IELTSのみ提出を受け付けることになりましたので、負担が重くなる可能性が高いです。入念にスケジュールを組み立てたうえで、毎日欠かさず取り組むことをお勧めします。

3. 入学後の英語対策

上記以外の国内MBAを志望される方は、「受験に当たっては」英語対策を取り組む必要はございません。しかし、近年「グローバル化」という言葉に代表されるように、ビジネスにおける英語のニーズは高まっていて、国内MBAでも英語で実施する科目が導入されたり、スタディツアーや交換留学の機会が与えられたりするなど、様々な取組が行われています。実際、筆者の周囲でも、ダブルディグリー(複数の大学院からMBA学位を得る制度)に応募し慶応義塾大学大学院(KBS)からフランスのESSECに留学された方や、社会人ながら休職して短期留学を果たした方がいらっしゃいます。
入学者全員の英語力を高める取り組みを行う国内MBAも増えています。たとえば、早稲田大学大学院(WBS)では、入学後TOEFL ITP一斉テストの受験することが求められています。また、青山学院大学大学院では、修了要件として英語能力の認定(目安としてTOEIC 730 点以上)を明記しています。

国内MBAを志望される方は、受験科目に英語があるか否かに関係なく、英語と向き合う必要があると考えていいと思います。実際、筆者が2年間WBSで学ぶなかで、卒業論文作成にあたり、英語で書かれた論文を先行研究として何度も触れましたし、海外の大学教授が来日するのを機にゲストスピーカーとしてゼミに招待したケースもありました。もっとも、私は海外留学経験も駐在経験もない、とても英語が得意とは言えない実力の持ち主です。正直、なんとかついて行ったという感じで取り組んだというのが、正直なところです。その意味では、めでたく国内MBAへの進学を決められた方は、有意義なMBA生活を過ごすという前向きな考えで英語対策に取り組みましょう。

以上、過去問対策と英語対策について整理しました。最後は、若干受験の話題から逸れているものの、国内MBA入学を検討するには大事なトピックであると考え、書かせていただきました。これからも、皆様に有用な情報が提供したいと考えておりますので、引き続きお付き合いいただければと思います。

MBAチューター