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チュートリアル通信第3回 志望校選択時のポイント

チュートリアル通信
チュートリアル通信第12回
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。以下は、MBAチューターから皆さんへのメッセージです。今後の受験対策のご参考にしてください!
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河合塾KALSの国内MBA・MOT対策
        志望校選択時のポイント


今回は志望校選びに関してのアドバイスをしたいと思います。国内MBA・MOTの学校は、その教育方針によって、カリキュラムや選考方法に大きな違いがあります。学校毎の特色をよく理解して、ご自身の希望にあう学校を見つけてください。説明会や講演会、大学のHPや出版物などを通じて、しっかりと情報収集をすることが大切です。

◎志望校選択時のポイント

国内MBAでは日中も講義を行う「全日制スクール」と、夜間・休日に講義のある「夜間制スクール」があります。前者の全日制での人気校に、一橋大学大学院(HUB)と慶應義塾大学大学院(KBS)があります。全日制という共通点はありますが、この2つの学校は異なる特徴をもっています。HUBは理論的な枠組みを掴むことに重きを置いているのに対し、KBSではビジネスケースを中心としたディスカッション形式の講義が展開されます。
また夜間ビジネススクールでは首都大、一橋(HUB)、早稲田(WBS)、青山(ABS)、明治(MBS)、立教(RBS)、法政、筑波など多様な選択肢があります。全日制同様に、各校それぞれで講義スタイルが異なっているので注意が必要です。
どの学校が自分の求めている環境であるか、それぞれの学校の特徴を理解することは入学後の満足度に大きな影響を与えます。学校の特徴を把握するうえで重要なポイントを以下に挙げますのでご参考ください。

① 教育方法・方針の違いついて

各学校の教育方針によって、学界で著名な教員が在籍している、実務経験豊富な教員が充実しているなど、特徴に違いがあります。
例えば、一橋大学院はアカデミック要素が強く、一方で慶應(KBS)は実務寄りと言われます。また早稲田(WBS)は、実務家とアカデミックな教員のバランスがよいことを打ち出しています。ここで言うアカデミックとは、古典や名著と呼ばれている文献をベースに経営理論を深く学んで自身の研究に活かすといった学習方針のことを指します。このアカデミック要素が強いのは国公立校に多く、最終的な研究論文の作成に注力することも特色です。一方実務寄りとは、現実・仮想問わずビジネスケースベースでの講義を数多くこなし、そこから経営エッセンスの抽出を行う学習方針を指します。こちらは私立校に多く、論文形式やプロジェクトベースでの成果物提出など多様な学習スタイルがあることが特色となります。

ご自身の関心分野が明確な方は、志望する学校の教授についても調べることをおすすめいたします。教授の著書や記事を読み、講演会に参加することで、志望意欲に大きな変化が生じる可能性があるためです。ただし、教授は退職なさる可能性がありますので留意が必要です。また関心分野が定まっていない方は各MBAプログラムの入試説明会や模擬講義を聴講し、興味のある分野やご自身のキャリアに活かせる分野に力を入れている学校を選ぶとよいでしょう。

以上を踏まえ、志望校の教育方法がご自身のスタイルに合うかどうか、見極めが必要です。

② 学生の構成

ビジネススクールと聞くと社会人学生の印象を受けます。しかし、新卒の学生の入学を採用している学校も有り、大学ごとに学生の構成比率も異なります。社会人が多い学校と新卒者が多い学校とでは、クラスの雰囲気やディスカッションの内容が異なる可能性があります。同様に、企業派遣の学生数や留学生の多寡、平均年齢や男女比も、学校の雰囲気を左右します。MBAは、教員だけでなく学友からも多くの学びを得る場所です。どんな学生と共に学ぶことができるのか、確認することをおすすめします。

③ 学費・その他費用

学校ごとに差が大きいのが学費です。国公立の多くは2年間で最大150万円前後ですが、私立には300~500万円と2倍以上かかる学校もあります。奨学金や教育訓練給付金制度などを活用できるケースもありますので、経済的な負担を気にされている方は調べておくことをおすすめします。なお在学中は書籍の購入費や合宿費用、あるいは海外研修プログラム費用など、授業料以外にも出費があることが予想されますので、それも含めて検討することをおすすめします。

④ 立地や授業開始時刻

仕事をしながら学校に通うことを検討されている方は、キャンパスまでの移動時間や授業開始時刻も重要なチェックポイントです。現実的に通学可能か、具体的にイメージすることが大切です。MBAは原則、遅刻欠席なしの全講義出席が単位取得の条件となります。夜間スクール入学となると、週に数日決まった時間に退社することが予想されますので、想像以上にこの立地や授業時間が重要な項目となります。

⑤ 受験資格

受験資格は各学校のホームページの募集要項等で確認することができます。例えば、新卒者を受け入れていない学校や、社会人経験を一定年数必要とする学校があります。TOEFLのスコアなど、事前準備が必要な学校もあります。また、四年制大学を卒業していなくても、事前審査で「大学を卒業した者と同等以上の学力がある」と認められれば受験資格を得られる学校もあります。曖昧な点は各自、学校に問い合わせをなさってください。

⑥ 出願期間と入学試験日程

 十分な準備をするうえで、最も念頭に入れておくべきことはスケジュールです。締め切りから逆算してやるべきことを整理し、余裕をもって取り組みましょう。第一志望が既に決まっていらっしゃる方は、その第一志望校よりも早いタイミングで入学試験を行う学校を受験し、反省点があれば第一志望校の試験に活かすことをおすすめします。

以上6点を挙げさせていただきました。この他にも、学校選びについて様々な視点をお持ちかと思います。皆さんが重視するポイントについて、ぜひカウンセリングでお聞かせ下さい。
研究計画書や面接では、「なぜその学校に通いたいのか」をご自身の言葉で説明する必要があります。ネームバリューやランキングだけで選ぶことなく、たくさん情報収集をなさってください。

次回以降では小論文対策・面接対策を中心にアドバイスしていきます!


MBA講座チューター 和木

※前任の望月チューターの原稿をもとに最新の情報を載せております。