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心理・チュートリアル通信「2022年度秋入試に向けて」(4)

2021年秋学期
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
心理・チュートリアル通信「2022年度秋入試に向けて」(4)

名駅校チューター : 落合  



「年度替わりの勉強方法」

こんにちは!
河合塾KALS名駅校チューターの落合と申します。
今回は「年度替わりの勉強方法」についてです。2月~3月、この時期、大学生の方はテストやレポートの提出が終わって少しほっとして春休みを過ごされているかもしれません。また、社会人の方だと、年度末の仕事が生まれてバタバタと忙しく過ごされているかもしれません。KALSも一旦授業は4月までお休みという時期に入ります。
4月に入ると、気合が入ります。「よしやるぞ」と受験勉強に力が入ると思います。KALSにおいても、人の出入りが増え、活気にあふれます。そういう雰囲気が、年度が替わると自然と訪れる。大きな波にのまれるように、遮二無二勉強するしかないぞという空気感。
前置きが長くなりましたが、そんな怒涛の春が訪れる前のこの時期、すでに受験を意識している皆様が、何をすれば有意義な時間を過ごすことができるか、今のうちにしておくと良いことなどはあるだろうか、そんなことを考える回であります。

①将来を見据える

大げさに聞こえるかもしれませんが、この時期に一度将来像を思い浮かべてみることをオススメします。「臨床心理士の仕事図鑑(中央経済社)」というような本などを読むのも良いでしょう。今一度心理職として働くということをイメージしてみましょう。それは本当に自分がやりたいことでしょうか。それはなぜですか。……急に就職アドバイザーみたいなことを言いだしてすみません…。しかし、勉強漬けの日々に入ると、もうそこからは受験に向けて一直線になりがちです。今、どこに向けて走るのかを確認しておきましょう。「将来像」というのは北極星のようなものです。大学院はそこに向かう途中にあるもう少し身近な建物で、さらにそれに合格するための勉強法というのが、もっと近い目印、例えば電柱のようなものといえます。
まず、どちらの方向に進むかが見えていることで、そこに向けた目標が設定できます。
今一度、将来を思い描くことで、自分がどのようなことに興味があるのかも確認ができ、ではどのような分野の研究をしたいか、そのためにはどこの大学院がいいだろうか、そこに受かるにはどのような勉強したらいいだろうか、という細かい目標が設定できるようになると思います。時間にまだ少し余裕がある今のうちに、今一度将来像を想像してみましょう。

②興味あるものをみつける

大学院受験で大変なのが、研究計画書作成かと思います。研究計画書を実際に書き出すのは、現役生の人であれば、ある程度卒論の方向性が定まってからでしょうし、初学者の方であれば、書き方などを学んでからということになるでしょう。しかし、最も時間をかけるべきは「テーマ決め」です。今の時期から自分の興味のあることを探し始めましょう。図書館や本屋の心理学コーナーに行ったり、気になることがあったらメモしておいたりしておきましょう。気になったテーマについて論文検索してみるのもいいですが、この時点ではあまりテーマを絞りすぎない方がいいかもしれません。一つ論文を深く読み込むというよりは、ちょっとでも興味の持てた論文や書籍に、浅く広く触れるイメージでしょうか。いきなり的を絞るのではなく、こうしてある程度裾野を広げておくと、研究計画を書くときに、より根拠のしっかりしたものが書けると思います。
もちろん、既にこの段階が終わり、研究テーマが決まってきている人はそのまま進めて良いと思います。ただこれから取り組もうとされている方は、今のうちは興味のあることについて広く浅く触れてみることを意識してみてください。

③全体を見渡すような勉強

この時期の勉強についてですが、一度全体を確認する機会を作ると良い思います。例えば教科書や、または「公認心理師・臨床心理士大学院対策鉄則10&キーワード100 心理学編(講談社)」などの、「目次」を眺めて、そこに書いてあることが全部見たことがあって、なんとなく意味もわかる、という状態を作っておけると良いです。
ここでもやはり「浅く・広く」を意識して全体を見渡しておくと良いと思います。心理学には「単純接触効果」という素晴らしく単純な名前の理論がありますね。今のうちに、勉強すべき全ての範囲に繰り返し「接触」しておきましょう。そうすることで、これから本格的に勉強するときの、抵抗が弱くなると思います。何と無くみたことある単語が並んでいるので、安心して勉強に取り組むことができるようになるでしょう。
また、全体を把握しておくことは、先ほど書いたような北極星を決めておくことにも似ています。これだけの範囲を勉強しなければならないとわかっておくことで、一つの分野に集中して勉強しすぎて、他の分野の勉強が間に合わなかったということを防止できるでしょう。

④勉強習慣をつくる

最後に、既にできている人もいると思いますが、「勉強習慣づくり」をしておきましょう。毎日の勉強時間の確保はできているでしょうか。なかなか習慣づくりというのは難しいものです。例えば英語が苦手と感じている人は、今のうちから毎日単語帳を眺めるという習慣づくり。また、上述したような今のうちにしとくと良いことに、毎日少しずつでもいいから取り組む時間をつくる。これが2月3月のうちにできておくと、4がつから本格的に勉強に取り組むことにスムーズに入っていけると思います。

以上、「年度替わりの勉強方法」について考えてみました。今一度、視野を広くもって全体を眺めておく期間にできると良いのかな、と考えた次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました!それでは!