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第10回 再受験のための受験方略

チュートリアル通信
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
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第10回 再受験のための受験方略

新宿校チューター : 宮内 裕介 


皆さんこんにちは、チューターをしています宮内裕介です。

今回は、過去に受験をしたけども不合格となり、再受験での合格を目指す受講生の受験方略を解説していきます。
関東の心理大学院は募集人数に対して、受験者数が数倍になるので、合格するのは確率的に難しいものです。
浪人を経て合格する受験生は珍しくありません。
ただ、一度不合格になってしまい、1年後の再チャレンジでも不合格になると、その精神的なショックはより大きくなります。
将来のビジョンが揺らいでしまうかもしれません。
再チャレンジを頑張っている受講生が、合格へのヒントを得られることを目的に解説をしていきたいと思います。



再受験のための受験方略
(1) 志望大学院は、自分の属性・経歴に合っているか
(2) 1次試験は合格したが、2次試験で不合格。どう対応するか
(3) 一度不合格になった大学院を再受験する
(4) 受験方略の量と質、どこを変えるか
(5) フィードバックを受けて、客観性を担保する



(1) 志望大学院は、自分の属性・経歴に合っているか
大学院には入学して欲しい学生の理想像があります。
HPやパンフレットに記載されています。しかし、これらのインフォメーションには大学院側の本音は書かれていません。
入学者差別と捉えられるような表現はできないからです。

多くの大学院の受験資格は、年齢不問、出身大学不問、学部不問になっています。
しかし、実際に学んでいる院生が、現役生かつ内部進学者で固められていて、1年次から学会でのポスター発表を義務づけられているとしたらどうでしょうか? 
それが意味するのは、内部の心理学部出身者でないと合格が難しいということです。

自分の志望と大学院側の求める学生像がミスマッチしていないかを確認してみて下さい。
それは試験対策以前の問題で、受験校の再考が必要になります。
ミスマッチはオープンキャンパスとゼミの体験参加で防ぐことができます。実際にそこで学んでいる院生を観察するのです。
彼らはその大学院の合格基準を満たした学生です。
年齢幅はどうか、雰囲気はどうか、積極的に発言しているか、自分と似ているか。また、院生と直接会話ができる機会があれば、質問をしてみましょう。
教授が傍で聞いていなければ、本音で話してくれます。

大学院は、内部生で占められている院、他学部出身者でも合格できる院、社会人出身者を合格させる院と、合格者傾向が分かれています。
自分の属性・経歴と、相性の良い大学院を選択できているか、考えてみて下さい。


(2) 1次試験は合格したが、2次試験で不合格。どう対応するか
再チャレンジしている受験生に、河合塾とは別の予備校に通って昨年受験したが不合格となり、今年河合塾に入塾した受講生がいます。
私はチューターとして話を聞いているときに、おかしいと感じたのは、以前の予備校の対応です。
受験生が2次試験で不合格になったことを伝えると、「1次と2次の総合評価だから仕方ないね、また頑張ろう」で相談が終わってしまったというのです。
そう言われたら、何をどうやって頑張ったらいいのでしょう?

1次と2次の総合評価というのは、その通りかもしれません。
ただ、1次試験を突破した時点では、合格の可能性があったわけです。
そうであれば、2次試験で評価されない言動があったか、合格させるには何か不足していると、面接官が判断したのです。
私がそのときの受験アドバイザーであれば、「また頑張ろう」で終わりにはしません。
不合格になった2次試験の質問と返答を、受験生に再現してもらいます。
不合格の原因を特定するのは難しいですが、面接態度と返答内容に問題が無かったかを確認して、再受験への課題を見つけます。

1次試験勉強をより頑張って、高得点を目指していくというのは対応の1つです。
しかし、2次試験の再現を行なわないというのは、受験方略の修正箇所を見逃す可能性を発生させてしまうのです。
不合格は思い出したくない過去ではなく、合格へのプロセスにある修正機会だと捉えて振り返ってみましょう。


(3) 一度不合格になった大学院を再受験する
一度不合格になった大学院を再受験するのは、何の問題もありません。
1年後に受験しても、同年度内の秋試験と春試験の両方を受験しても同様です。
2回目の受験で合格した受講生は普通にいます。

初回受験時に、オープンキャンパスや研究室訪問をしていると思いますが、2回目の受験でも訪問しましょう。
1次試験での不合格であれば、教授は受験生を覚えていませんが、2次試験まで進んでの不合格であれば、受験生のことを覚えています。
再訪問の行きづらさを感じても、頑張って行ってみましょう。

2回目の訪問の目的は、勉強を続けていることを認めてもらうためです。
指導希望の教授が直近1年の間に発表した論文や著書を持参して、その一部を引用して質問や自分の考えを話すのです。
結論として、やはり自分の研究には、教授の指導と大学院の教育システムが必要だと思うので、再受験しますと伝えます。

再訪問時に注意することは、以前の不合格の原因を聞き出そうとしたり、合格を懇願するような態度を取ったりしないことです。


(4) 受験方略の量と質、どこを変えるか
大学院受験は、学力だけでは合否が決まりません。
学力にプラスして、何らかの理由で選ばれた受験生が合格します。
選ばれなかったのは、何かが足りなかったか、何らかの評価が良くなかったためです。
受験方略の量と質を確認して、どのあたりに原因がありそうか、どこを頑張れば良さそうかを考えてみて下さい。









(5) フィードバックを受けて、客観性を担保する
合否の判断は大学院の教授が下しているので、実際の不合格の原因を調べることはできません。
これでは再受験するにも、不安を抱えたまま臨むことになります。
原因と考えられることに仮説を立てて、改善していける方法は、フィードバックを受けることです。

院試は合格基準がオープンにされていないので、試験結果の分析には、バイアスがかかってきます。
不合格となった後に、解けそうで解けなかった問題は思い出されます。そのうちに、「あの問題さえ解ければ合格したのに」という確信を持つようになっていきます。
本当にその問題が解けたら合格したのでしょうか?

フィードバックを受けることは、客観性を担保して、不合格の原因に近づく方法です。河合塾KALSにはチューター相談の他に、受講生からの質問に先生が答えるオフィイスアワーも設定されています。他者から評価を受けることを、自身の受験方略の修正に役立ててみましょう。