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茂苅チューター(名駅校)第12回 心理職にはどのような仕事があるか

チュートリアル通信
心理職にはどのような仕事があるか



名駅校 心理系チューター 茂苅 梓沙

こんにちは。名駅校チューターの茂苅です。
今回のテーマは,【心理職にはどんな仕事があるか】です!
まだイメージがない方もいるかと思いますが,自分がどんな仕事に就きたいのか探っていくことは,志望校を決めるヒントになることや,これから学ぶべきことのヒントになることがあります。この機会にぜひ,どんな仕事がしたいのか自分を見つめてみてください!




 【臨床心理士の4つの専門業務からみる心理職の仕事】
まず,心理職の仕事を行うにあたって,領域に関わらず必要だと考えられる専門性について考えて行きたいと思います。臨床心理士に求められている4つの専門業務に沿って見ていきます。

①臨床心理査定
 面接・観察・種々の心理テストを通じて,その人の特徴や問題点の所在を明らかにすることです。同時に,心の問題で悩む人々をどのような方法で援助するのが望ましいのかを考えていくことも求められています。さらに,他の専門家とともに検討を行うことも専門性だと言えるでしょう。

②臨床心理面接
 来談するひとの特徴に合わせて,さまざまな臨床心理学的技法を用いて,心の問題改善に向けて援助を行います。(臨床心理学的技法…精神分析,夢分析,遊戯療法,クライエント中心療法,集団心理療法,行動療法,認知療法,箱庭療法,芸術療法,臨床動作法,家族療法など)

③臨床心理的地域援助
 特定の個人を対象とするだけでなく,地域住民や学校,職場に所属する人々(いわゆる「コミュニティ」)の心の健康を目指した支援活動も行います(いわゆる「コンサルテーション」)。これらの活動は,個人のプライバシーを十二分に守りながら,コミュニティ全体を考慮した心の情報整理や環境調整を行う活動とも言えます。また,一般的な生活環境の健全な発展のために,心理的情報を提供したり提言したりする活動も行っています。

④調査・研究活動
心の問題への援助を行っていくうえで,技術的な手法や知識を確実なものにするために,基礎となる臨床心理的調査や研究活動を実施します。心理職として,自らの専門性の維持・発展のために必要な活動であると考えられます。




【領域別にみる心理職の仕事】
心理職の領域は,5つの主要な領域に分かれると考えられます。
その領域別に心理職の仕事にどんなものがあるのかを見ていきたいと思います。

①教育分野
学校内の相談室,教育センター,教育相談機関などで,発達・学業・生活面などで困難について生徒や保護者に対して心理相談を行います。
また,教師などへのコンサルテーションも行います。
必要があれば他の機関へリファーすることも求められています。
・ 働いているところ:公立教育相談機関,教育委員会,幼稚園,小・中学校,高等学校,予備校
(職名:スクールカウンセラー,教育相談員,保育カウンセラーなど)

②医療・保険分野
精神神経科・心療内科・小児科などで心理相談を行います(緩和ケアや慢性疾患,高齢者の医療などの場において患者本人や家族への心理相談も)。
精神保健福祉センターや保健福祉センターでは,引きこもりの家族相談や,アルコール依存症・薬物依存症の家族教室,思春期相談などを行っています。
市町村の保健センターでは,小児科医や保健士とともに乳幼児の健康診査・発達相談などを実施します。
内容としては,心理テストや心理療法,デイケア,コンサルテーションなどの活動をしていることになります。
・ 働いているところ:病院,診療所,精神保健福祉センター,保健所,保健センター,リハビリテーションセンター,老人保健施設など

③福祉分野
 子どもの心身の発達,非行,障害児・者,女性問題,高齢者の問題など福祉に関する問題に対して心理的側面から支援を行います。
子育て支援の場では発達の相談や子育ての相談に携わります。
その他,虐待やDV被害を克服するための相談,障害を持った子どもや大人の療育・相談も行っています。
・ 働いているところ:児童関連(児童相談所,市町村子育て支援課,児童福祉施設),障害関連(身体・知的障害施設,療育施設,発達障害支援施設…),女性関連(女性相談センター,DV相談支援センター,母子生活支援施設…)老人福祉施設など

④司法・矯正分野
 家庭裁判所,少年鑑別所などの機関で,社会的処遇を決定する際の心理的側面に関するテストや,調査・矯正に向けての心理面接が行われています。
例えば,家庭裁判所では少年事件や家事事件(離婚訴訟等)に調査官として関わることになります。少年鑑別所では,少年の特性を踏まえた処遇を検討していきます。
刑務所では,受刑者にカウンセリングや,集団療法を実施することもあります。警察では,少年非行に関する相談を受けるほか,犯罪被害者への支援も行っています。
・ 働いているところ:司法関係機関(家庭裁判所など),法務省関係機関(少年鑑別所,少年院,刑務所,保険観察所など),警察関係機関(相談室,科学捜査研究所など)

⑤労働・産業分野
 職業生活の遂行のために,面接や職場内へのコンサルテーションなどの心理的援助を行っています。
 ちなみに,厚生労働省は,職場におけるメンタルヘルス対策を推進しようとする企業に対して,支援専門家が取り組み方法などを助言・指導する「メンタルヘルス対策支援事業」を実施しています。
心理職も,メンタルヘルス支援専門家の一員として,この事業に参加することが求められています。
・ 働いているところ:企業内健康管理センター,相談室,外部EAP(従業員支援プログラム)機関,公共職業安定所,障害者センターなど

⑥その他
大学・研究所
 臨床心理学の研究,心理職の養成を行っています。そのほか,多くの機関では学生相談室や臨床心理センターなどが併設されており,学生や地域住民の心理相談を行っています。
私設心理相談
 資格を持った心理士が,個人または組織で運営している心理相談機関です。
さまざまな心理的悩みについてクライエントとともに取り組み,クライエントの人間的成長を支援します。





最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも,お役に立てていたらうれしいです。
興味のある仕事が見つかったら,説明会や見学会が開催されている場合もあるのでぜひ調べてみてくださいね。
それでは新年度も引き続き一緒にがんばっていきましょう!

参考
一般社団法人 日本臨床心理士会HP http://www.jsccp.jp/person/scene.php(閲覧日:2019.3.21)
公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会HP http://fjcbcp.or.jp/about/(閲覧日:2019.3.21)