2018年MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信第11回 合格者が語る!研究計画書対策その2

チュートリアル通信
国内MBA合格者が、試験の仕組みや国内MBA対策、MBA取得後などについて語るチュートリアル通信
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。

河合塾KALSの国内MBA・MOT対策講座

第11回 研究計画書対策その2
国内MBA対策講座 河合塾KALS

みなさん、こんにちは。小論文は繰り返し練習することで実力がつくので、直前期までしっかり実践しましょう。
さて今回は、研究計画書を書くポイントや注意点をおさらいしたいと思います。皆さんもぜひ、今回のチュートリアル通信を参考に作成した研究計画書を見直していただければと思います。
なお、研究計画書の呼び名はMBA各校で異なりますが(例えば、調書(KBS)、エッセイ(WBS)など)、ここでは表記上「研究計画書」と統一しています。


◎研究計画書で意識すべき3つのポイント(再掲)

下図はチュートリアル通信Vol.5で掲載した研究計画書で押さえるべき3つのポイントです。それぞれの内容はVol.5をご参照願います。ここでは、MBAでは卒業後のキャリアプランが強く求められている点を強調したいと思います。

MBAでキャリアプランの提示が求められるのは、各校とも「MBA取得がゴールではない」という認識があるからです。司法試験や公認会計士試験などの資格試験、あるいは資格取得を想定した大学院では、そもそも資格を取らないと業務につくことができませんので、それに見合った学力・実力をつけることが重視されます。これに対して、MBAは起業やキャリアチェンジ、キャリアアップなどゴールが各人で異なるため、出願校にキャリアゴール、またそれらを実現するプランを示す必要があるわけです。「MBAを取得する」という目標を持つこと自体は否定しませんが、もう一歩進めて「MBA取得後、○○を実現したい」というキャリアゴールまで描いていきましょう。


国内MBA対策講座。河合塾KALS


◎研究計画書作成上の留意点

1. 設問を理解しよう

首都大学東京大学院など一部の大学院を除いて、ほとんどのMBAでは研究計画書に設問が付されています。河合塾KALSの「MBA論述ファンダメンタル」などの講義でも繰り返し説明されていますが、論述問題に適切に答えるためには、まず設問自体を理解する必要があります。

例えば、志望動機に関する質問に対し、単に「経営を学びたい」というだけでは答えたことになりません。これまでの実務経験で気づいた問題点は何か、それが経営(学)とどのように関連するのか、MBAで得たことがどのように活用できるのかなど、何度も自分に問い詰めて根拠を掘り下げましょう。掘り下げが甘いと、「MBAを取れば、順調なキャリアが歩める」と考えているだけではないか、と読み手(試験官)が誤解し、口述試験で厳しく問い詰められることになりますので、気をつけましょう。

なお、出願形式に従わずに書類を作成し指導を受ける方が(わずかですが)いらっしゃいます。形式に沿っていないと即不合格になりますので、指導でも厳しく指摘しています。研究計画書指導の1回を指摘だけで終わらせないよう、出願形式は確認しておきましょう。

2. 専門用語・抽象的な言葉を多用しない

志望動機やキャリアプランを書く際に、経営学の専門用語を多用する方がいらっしゃいます。論述添削を通じて何度も指摘している事項ですが、専門用語は使い方を間違えると読み手に正しい意思が伝わりません。また、「新しい価値観」、「差別化」など抽象的な言葉で説明するのも、同じ理由で適切とはいえません。平易な言葉で問題ないので、ご自身の考えを具体的に説明するよう心がけましょう。

「専門用語を使わないと、読み手に『経営学を知らない』と思われるのでは」と不安がるかもしれません。しかし、読み手はプロの研究者ですから、中途半端な理解度では簡単に見抜かれてしまいます(実際、当方も口述試験で厳しい突っ込みを受けたことがあります)。むしろ、志望動機やキャリアプランを繰り返し見直して、説得力のある文章を書くことで合格に近づくことができるといえるでしょう。

3. 自分のプランには自信を持とう

研究計画書指導にかかるカウンセリングで、「自分のキャリアプランで大丈夫か、試験官に面接で厳しく指摘されないか」という質問をよく受けます。結論から申し上げますと、何を書いても面接で質問されるのは間違いないです。むしろ、厳しい指摘を受けたとして、自信を失うプランだったすれば、まだ不完全なプランであると言わざるを得ないでしょう。

先ほども申し上げましたとおり、出願校が皆さんに関心を持っているのは、「MBA取得後、何を実現したいのか」ということです。KBSやWBS、青山学院大学大学院のエッセイに取り組まれている方であれば、設問にそこが明示されている点で、納得いただけると思います。1.で書いたとおり、ご自身の志望動機とキャリアゴール、それらを実現するうえでMBAはなぜ重要なのか、ということを繰り返し考え、文章化しましょう。

以上、研究計画書の作成上のポイントについて、留意点とともに説明させていただきました。何度も申し上げますが、MBAは経営学の知識以上に、キャリアゴールが重視されます。これらを理解して、平易な言葉で着実に読み手に伝わる研究計画書を作成しましょう。

MBAチューター