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チュートリアル通信第5回 合格者が語る!税理士免除についてQ&A

チュートリアル通信
「税法」科目免除大学院チュートリアル通信。「税法」科目免除大学院 試験合格者が試験対策や試験情報などを皆様に教えるコンテンツ。
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、試験対策や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、税法関連の小ネタなど、
皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
河合塾KALS 税理士「税法」科目免除大学院 講座

第5回 税理士免除について Q&A



免除を受けることが出るのは、会計科目と税法科目の二つですが、ここでは、Kalsで開講している税法科目に絞ってご説明します。

● 研究認定の基準
①「税法の単位を4単位以上修得」

それほど、多くはありませんので、通常、税法の教授がいれば大丈夫ですが、法学研究科であっても税法で4単位取れなければ免除を受けることができません。特に、税法が中心ではない研究科に進まれた方は、不足しないようにご注意ください。

②「研究の成果が税法に関するものであること」

せっかくの修士論文の内容が認定の対象外では意味がありませんね。対象になる税法の範囲は、以下のものです。
(イ)税理士試験科目に属する税法及びそれ以外の租税に関する法律
(ロ)外国との租税に関する協定を扱う科目(租税条約など)
(ハ)その他、これらに類する科目(租税法など)

従来、財政学も認められていましたが、今は、認められないようです。また、税に関する制度研究も対象になりませんので、ご注意ください。リスクを取らず、タイトルからも税法の研究であることがわかるものにしましょう。

● 申請の手続き
提出書類の中で、重要なものとしては、「学位論文」と「指導教授の証明書」があげられます。また、「履修要項(教授名、講義内容などの確認できるもの)」のコピーなども必要になりますので、修了時まで、大事に保存しておきましょう。

この中で、特に気になるのが、指導教授の証明書ではないでしょうか。これに署名をしていただけないことはないはずですが、あまりにも教授との関係を悪化させてしまった結果そもそも修了認定をしていただけないという話はまれに聞くことがあります。どこにおいてもそうですが、教授との関係は大事にしておきましょう。

そのほか、詳しくは、国税庁のホームページに「改正税理士法の『学位による試験科目免除』制度のQ&A」としてまとめられています。是非、一度、確認しておいてください。

Q&A
例年質問の多い項目についてコメントしました。ご参考になさってください。

Q. 税法科目免除大学院には、法学研究科だけではなく商学研究科や経済学研究科もありますが、何が違うのでしょうか?

A.「税法の修士論文を提出して国税審議会の承認を得る」ことが科目免除をとる要件なので法学研究科でなければいけないと思われがちですが、租税法学者の指導を受けて、国内の税法に関するテーマを中心とした修士論文を書き、免除を受ける科目の単位を4単位以上取得していれば税法科目の免除を受けることができます。従って、商学研究科や経済学研究科であっても、上記の要件を満たしていれば科目免除を受けることは可能です。

では何が違うのかというと、修了に必要な単位(30単位程度)を取得するの税法以外に何を受講するのかが違います。法学研究科は、法律系の科目が多くなりますし、経済・経営学研究科であれば、経済学やマーケティングなどの単位の取得が可能になります。税法以外のほうが単位数は圧倒的に多くなりますので、現在関心のある分野にあった科目があるか、時間割などを確認してみるとよいと思います。

Q. 大学院に入ってから研究したいテーマと研究計画書の内容は同じでないといけないのでしょうか?

A. 同じである必要はありません。
むしろ、大学院に入学後は研究テーマを変える方のほうが多いと思っていただいた方がいいかもしれません。そのため研究計画書は受験のためと割り切って「自分が内容を理解して書けるもの」、「参考にする資料が必ず揃うもの」を意識してテーマを選ぶのも良いと思います。

Q. 働きながら大学院に通いたいのですが、夜間部の大学院なんてあるのですか?

A. 都内に限っては、たくさんあります。
近年では社会人の勉強意欲に対応して、実践的な学問を教育する方針の大学院が増えてきております。そのため、社会人が通いやすいように平日夜間と土曜日を組み合わせた通学で修士論文作成まで指導してくださる大学院が多く見受けられます。

一般入試や仕事を辞めて学業に専念される場合でも、社会人向けの時間割のほうが、効率よく授業を取ることができるメリットもあるので、一概に、全日制のほうが良いとも言えません。詳しくは、是非、ご相談ください。

●終りに
私の場合、大学院修了直後に免除申請し、途中に一度、追加資料のやり取りがありましたが、7月第一週に無事、「免除決定通知書」が到着しました。もっと早いこともあるようですが、同じ時期に提出された方は、同じときに通知書が到着しました。

私は、これで、登録要件がそろったこともあり、すぐに、仏壇に通知書を供えご先祖様に報告したのを思い出します。人には、「資格取得は、スタートにしか過ぎない。」とかいうくせに(笑)。そのあと、お世話になった黒須先生にもご報告しました。Kalsは大学院入学までのお手伝いの場ですが、ご一報いただけるととてもうれしいです。