心理・チュートリアル通信「英語の学習法」(2)
2021年秋学期
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
心理・チュートリアル通信「英語の学習法」(2)
新大阪校チューター : 山根
皆さんこんにちは。KALS新大阪校チューターの山根です。
今回は大学院受験でほぼ必須科目である「英語(心理学英語)」の学習方法についてお話させていただきます。チューターをしていると、受講生から「英語が苦手で・・・」という話をよく聞きます。大学受験が終わってから英語にほとんど触れていなくて忘れてしまったという方や、昔からずっと英語が嫌いだったという方など、人それぞれ状況はさまざまですが、多くの受験生が英語に苦手意識を持っているようです。
僕が受講生にいつも伝えることは、英語は地味な努力で点数を重ねる科目だということです。逆に、まぐれで高得点を取ることはほとんどなく、勉強不足で望めばその通りの点数しか取ることができません。毎日コツコツ、これが英語の点数をあげる最短ルートだと思います。
しかし、地道に毎日努力しようと言うだけでは、なかなか勉強のモチベーションを保つことは難しいです。特に勉強し始めの頃は、成長を実感しにくく、テストの点数もすぐには上がってきません。
今回は皆さんが英語の勉強をするときに少しでもモチベーションを高められるよう、英語の勉強方法について僕がお伝えできることを書いていきたいと思います。受験生の皆さんに少しでもお力添えができれば幸いです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
①まずは、志望校の出題形式を確認しよう!
心理系大学院の英語試験では、次のような形式で問題が出題されていることが多いです。
- 全文を和訳する
- 部分的に和訳する
- 英文を日本語で要約する
各大学院によって、例年の出題形式はおおよそ決まっていることが多いです(ただし、例年の出題形式で今年も出題される確証はどこにもありませんので、過信には要注意です)。まずは、自分が志望する大学院の出題形式を確認しましょう。そして、自分がどのような問題を重点的に勉強する必要があるのか知りましょう。ただ闇雲に勉強を始めるより、どこに向かって勉強するのかを定めておいた方がモチベーションを保ちやすいです。
しかし、まだ志望校が絞りきれていない人や複数校受験する予定の人は、出題形式で決め打つことはしないほうがいいですし、志望校の形式だけにこだわってしまうと、急な変更に対応できなくなるので、いずれにしてもその形式のみに特化することは避けた方がいいです。ただ、例年「要約」の問題が出題されているのであれば「要約」の練習はした方がいいですし、長文を短時間で読解しなければいけない問題が多いのであれば、速度を意識した勉強をした方がいいと思います。自分が何に向かって勉強をするのか、まずは目標を確認しておきましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
②英語に慣れよう!
先ほどお話した通り、英語は地道な努力が必要です。皆さんの中には、「英語の長文を見ただけで気分が悪くなる」方もいるのはないでしょうか。この「気分が悪くなる」段階をまずは脱することが先決です。つまり、「英語の長文を見ても、まぁなんとかなるだろう」と思えるようにすることです。そのためには、日々英語に触れ続けることが得策だと思います。1日1時間でも、寝る前の15分でも、毎日英語に触れ続けましょう。1ヶ月重点的に勉強して、次の1ヶ月は全く触れないという方法より、毎日コツコツ続ける方が英語のような科目にはいいのではないかと思います(ただし、勉強方法には個人にあった方法がありますので、どのようなペースで勉強すればいいかは最終的には自分で決める必要があります)。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
③英単語は全ての土台!
これは②とも関わりが深いですが、多くの受験生にとって英語が「嫌だなぁ」となる理由は、英単語を覚えていないということです。当たり前のようで、そのまま当たり前で、かつ最も大切なことです。英単語の習得数がそのまま英語の慣れに直結していきます。例えばある英文を読むとき、単語がわからないと、わからないまま文章を読み続けて、他の文章から内容を推測しなければいけません。何かを覚えておきながら、何かを推測し、全体をまとめて・・・というような複数の作業を同時にしようとすると、もう何が何だかわからなくなってしまいます。それは読むスピードや内容理解を低下させる要因になりますし、それ自体がとってもストレスフルな作業です。
逆に、単語がわかると世界が変わります。単語がわかるということが、皆さんが思う以上に英語を読むストレスを軽減させ、苦手意識を改変してくれます。このブレイクスルーを経験できるかどうかが、英語の苦手を克服できるかどうかの分かれ目だと言えるでしょう。
単語を覚えましょう。名詞も動詞も専門英語も時間と労力をかけて覚えましょう。この一番地道な勉強が試験では最も心強い味方になってくれます。学習のポイントは、同じ文章を何回も読むことです。同じ英文を何回も読みましょう。日本語訳を確認し、どの単語がどのような意味を持っているか確認し、何回も書いて読みましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
④英文の読解と和訳・要約には文法が大切です!
英語は主語と述語の関係がとても大事です。日本語はその辺が曖昧になりがちですが、英語ははっきりしています。その他、この構文はこう訳す、というのが決まっています。こればかりはいくら単語を知っていても、構文を知らないと全く違って訳を当ててしまうことになります。単語の勉強をしながら、文法の勉強も平行して行いましょう。
よく論文中に出てくる表現も押さえておく必要があります。僕のおすすめは、英語の「要約(Abstract)」をたくさん読むことです。学術論文にはほぼ必ず「要約」が書かれています。英語の論文はもちろん、日本語の論文も英語の要約が書かれていることが多いです。英語論文の全文を読むことは難しいですが、要約だけであれば頑張れそうな気がしてきます。どんな言い回し、どんな構文、どんな単語がよく使われているか、たくさん読んで確認しておきましょう。
また、和訳と要約は「書いてみたもののこれでいいか分からない・・・」ということもあると思います。学生さん同士で見せあったり、チューターに見せに行ったりして、どこか不自然なところや変な日本語がないか、自分以外の人に見てもらいながら修正をしてみましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回は、僕が思う英語の勉強のポイントを概観してみました。・・・多少パワープレイな内容になってしまったかもしれません。これが皆さんにどれだけ参考になるかわかりませんが、少しでもお役立ちいただければ幸いです。
自分に合った勉強方法で、苦手を克服していきましょう!Plus Ultra!