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心理・チュートリアル通信「直前対策」(2)

2021年秋学期
河合塾KALS 臨床心理士指定大学院講座 チュートリアル通信
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
心理・チュートリアル通信「直前対策」(2)

名駅校チューター : 落合  



こんにちは!
河合塾KALS名駅校チューターの落合と申します。
今回は「直前対策」についてです。試験の直前期は、気持ちが焦り、「もう何をしたら良いのかわからない!ひぇー!」という心境になる方が少なくないでしょう。

 直前期の過ごし方をある程度決めておくと、何も準備しておかないよりは、少し落ち着いた気持ちで過ごすことができるかもしれません。今回も私自身の経験や、チューターをしていて感じたことなどから、試験直前期の過ごし方について書いてみたいと思います。少しでも直前期の過ごし方のイメージ作りの役に立てばと思います。

<その1 アウトプットの練習をする>

 直前期に入ったら、インプット中心の勉強からアウトプット中心の勉強に切り替えていくとよいでしょう。「いやでもまだ知識を網羅できていないし…」となかなかアウトプット中心に切り替えるのを躊躇される方もいるかもしれません。
 しかし、現在自分が持っている知識をフル活用してそれらしい解答を書いてみる練習をしておく必要があります。多くの知識をインプットして、覚えたことをしっかり書けるようにしておくことはもちろん大切です。しかし試験本番では、想定外の問題が出てきたり、自分の知らない用語が出てきたりすることもあります。そういう時に焦らないためにも、「自信がなくても書いてみる」という練習は繰り返しておくと良いかなと思います。
 私の体験談ですが、とある大学院を受けたとき、受験が始まってすぐ、私は絶望しました…。「難しすぎる…全然わからん…」そこには聞いたことない用語や、想定になかった分野の問題が出題されていました。しかし、そこで諦めずに自分の持っている知識を全部出して、解答を書いていきました。結果、無事合格をいただくことができ、書く練習をしておいて良かったと思いました。(しかし、基本的には根拠のない推測を書くことは推奨されることではない事は念頭に置いといてほしいとは思います)。
 この時、取り組む問題は、市販の問題集や過去問、または過去問を参考にこんな問題が出そうだというようなオリジナル問題を自分で作ってみても良いかもしれません。
 「過去問は答えがないから問題集をやります」という声をきくことがあります。しかし、答えのない問題にこそ取り組んでみてはどうか、とも思うわけです。なぜなら、「目指すところにある心理職は、結局答えのない問題に取り組む仕事だからです」と、かっこいい事を言ってみたいところではありますが、自分で書いた解答を概論書や専門書を使って自分で答え合わせをしてみることが、いい勉強になると考えています。<その2>に続きます。

<その2 枝葉のような知識を加える>

 アウトプット期に、自分で作ってみた解答を、心理学の概論書や専門書と見比べながら、自分なりに答え合わせしてみましょう。すると、「これ大事な事なのに、書き忘れてた」「こんな言い方もできるのか」「こういう事とも関連があったのか」など色々な気づきが得られると思います。今まで勉強してきたことが木の幹だとしたら、ここで枝葉の部分をくっつけていきましょう。ここでちょっとでも追加した知識が、他の受験生との差を作り出すかもしれません。

<その3 自分の勉強の成果を見直す>

 もう本当に試験が近づいてきたら、今一度、これまで勉強してきたノートや参考書を見直してみましょう。「〇〇冊もノートができてるじゃないか、すごいな」「なんだこの参考書への書き込みの多さは、すごいな」と自分を褒め称えてあげましょう。
 さて、ここで裏技ですが、「勉強ノートは大胆に使うこと」をおすすめします。私は試験直前に自分の勉強ノートの冊数を見て、これだけやったんだからいける、と思っていましたが、受験が終わってから見直してみると、数行しか書いてないページがたくさんありました(笑)。

<その4 気持ちを落ち着ける方法を身に付けておこう>

 呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、マインドフルネスなど、臨床心理学にはセルフケアの方法が色々ありますね。せっかく勉強していることですし、自分でも身につけるようにしておくと、直前期の役に立ちますよ。

<その5 自分が一番不安にならない過ごし方を!>

 さて、私なりに直前期にしておくと良いことをまとめてみました。しかし、結局、直前期の過ごし方は人それぞれに合った方法をとるのが一番です。
 例えば、<その3>でも触れたような、「直前期は手広く参考書を広げるのではなく、自分がやってきたものをしっかりと定着させる方が良い」という事があるかもしれません。
 しかし、受験した人の中には、「最後ギリギリまでどんどん新しい知識を取り入れていっている人」もいました。そうしていないと不安だし、そうしている方が落ち着いていられるとの事でした。自分が一番落ち着いて、自身を持って試験に臨めるように過ごせればそれで良いのです。

 どれだけ準備をしていても、やはり試験の直前になれば、焦る気持ちは当然出てくるものです。そのような焦る気持ちについて、マインドフルな態度で認めて、受け止めていくことで丁度いい緊張感をもって本番の試験を迎えることができるでしょう。どうしたら良いかわからなくなったら、講師の先生やチューターに相談してみるのも良いですよ!
 以上、「直前対策について」でした。読んでいただきありがとうございます!それでは!