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茂苅チューター(名駅校)第3回 研究計画書とは?

チュートリアル通信
研究計画書とは?



名駅校 心理系チューター 茂苅 梓沙

こんにちは。名駅校チューターの茂苅です。

今回のテーマは【研究計画書】です。
書かなきゃと思っていてもなかなか進まない苦しさ・難しさがありますよね。
研究計画書についてのイメージがつかない・どうしていいかわからないといった方のために,テーマの選定や,書き方,文献の収集方法などの一例をご紹介したいなと思います。


 
【テーマの選定】
①「何に興味があるのか」というのが出発点
「〇〇に興味がある」とスパッと言える人ばかりではありませんよね。
また,「子どもに関する研究がしたいというような漠然とした思いはあるけど…」という方もいると思います。
そんなとき,「将来どんなところで,誰を対象に,どんな風に活躍したいか」ということを考えてみてください。
自問自答でもよいと思いますが,誰かに話してみると考えがまとまりやすかったり,自分でも気づかなかった思いに気づいたりするのでおすすめです!

②「具体的にどんな問題が現実に起きているのか説明できる」テーマを選ぼう
現実問題としてどんな問題があると想定できるのか具体的に説明できるものをテーマとして選ぶとよいと個人的には考えています。
臨床的な目線から研究を行っていくことは,心理職として活躍することを目指すにあたってとても重要な視点です。
また,“問題意識”が研究の根幹になるので,じっくり考えてもよい部分ではないでしょうか。
(具体的というのは…どのような人がどのような生きづらさを抱えていて社会的に解決方法がない・不足しているなど,現実の場面が想定できるくらいという意味で使っています。)


 
【書き方】
①テーマが決まったら,関係する文献を読もう(文献の探し方については後程ご紹介します)
時間があればテーマに関する論文を手あたり次第に読み漁るのがよいと思いますが,受験を控えた皆さんは他にもすることがたくさんあるので大変ですよね。
そこで,研究テーマの次の段階,「仮説」を考えていきましょう。テーマ(問題意識)に関係する論文を読みながら,疑問点や反論点,足りないと思うところがあれば,そこがあなたの「仮説」につながります。
「仮説(言いたいこと)」がなんとなく決まったら,その「仮説」の根拠となる先行研究を探していきましょう。

②問題と目的(+仮説)→方法の流れで書こう
たくさん論文を読み始めるとわかってくることだと思いますが,心理学の論文は「問題と目的(+仮説)→方法→結果→考察」の流れで書かれています。研究計画書では「問題と目的(+仮説)→方法」の部分までを書くことになります。問題意識・知りたいこと(目的)と仮説の立て方,研究方法に一貫性があるかということもみられるので,「問題意識と目的に合う仮説か」「仮説を検討するのに妥当な方法か」ということを意識して書いていくとよいでしょう。
①の段階で,仮説まで考えてきました。(先行研究は,問題と目的の部分で述べます。仮説は目的の最後に述べることが多いです。)後は,方法の部分ということになりますが,先行研究にならうことが一般的なので,先行研究で参考になるものを探せるといいですね。

 

【文献の収集方法】
研究テーマのキーワードを図書館の所蔵検索やネット上の文献検索システムで検索してみましょう。
その際,キーワードが言い換えできるものであれば両方とも試してみるといいと思います。
テーマが新しい領域のものだと検索にひっかからないこともあるためです。(似たような概念もたくさんあるので幅広く検索するのもいいですね。)
もし,あまりにもヒット数が多ければ,キーワードを複数にしてみて絞っていってください。
また,一つでも文献が手に入れば,その文献が引用している文献を読んでみるというのもいいと思います。
キーワード検索で見つけられなかった文献が見つかることもあります。

*ネット上文献検索システム 例…CiNii, Google Scholar など
公開されているものであればダウンロードして閲覧することができます。
公開されていない論文については,大学の図書館に所蔵されている雑誌のものであれば閲覧できますし,取り寄せてもらえる場合もあります。

ちなみに,文献が豊富に所蔵されているのは,やはり大学図書館だと思います。
大学生でない方でも,登録すれば入ることができる大学もあるのでぜひ行ってみてください。勉強スペースの利用もおすすめです。


 
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回ご紹介した方法は私自身の苦しんだ経験をもとにしたものなので,この方法でなければならないというものではありません。

また,ざっくりとした説明でわかりづらいところも多々あったと思います。

些細なことでも悩むことがあれば,ぜひチューター制度を利用してくださいね。
明確なアドバイスができるかはわかりませんが,一緒に考えていきましょう!