MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信4月号 学校選びのポイントとMBA入試概要

2020年度MBAチュートリアル

河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。以下は、MBAチューターから皆さんへのメッセージです。今後の受験対策のご参考にしてください!


◎自己紹介
皆さん、こんにちは!河合塾KALS国内MBAチューターの江星 建太(えぼし けんた)と申します!どうぞよろしくお願いいたします!私自身も2018年にKALSの9月生としてMBA合格を目指しました。なので、分からないことや困ったことがあれば、遠慮なく質問してくださいね。今回のチュートリアル通信の本題に入る前に、簡単に自己紹介しますね。
現在、慶應義塾大学ビジネススクール(通称「KBS」、正式名称「慶應義塾大学大学院経営管理研究科」)の修士課程2年に在籍しています。KBS入学前は10年間、東証一部上場の物流企業でキャリアを積んできました。管理部門から収益部門に至るまで様々な実務経験を積み(いわゆる「何でも屋」です)、経営に関する幅広い見識を得た上でキャリアチェンジするためにKBSの門戸を叩きました。
KBS名物のケースメソッドと8つの基礎科目を無事に乗り越え(とても大変でした!)、ゼミは念願だった経営戦略論を学ぶところへ入室できました。修士論文は企業のIT戦略について執筆していく予定です。また、今年の秋にはフランスのパリにあるESSEC Business Schoolに単位交換留学することも決まりました。KBSやパリでの学生生活の様子は本チュートリアル通信でも執筆していきますので、楽しみにしていてくださいね!

◎学校選びのポイント

 このチュートリアル通信に目を通している方は、MBA合格を目指している方が多いと思います。ただ、いざMBAを目指すにしても、どの学校を選べば良いかは悩むところだと思います。日本全国にMBA課程を設けている教育機関は少なく見積もっても30校あり、それぞれ異なった特色を持っています。例えば、私が在籍しているKBSであれば、ケースメソッドを採用している、一橋大学(HBS)であれば古典経営学に強い、青山学院大学(ABS)であればアクションラーニングを採用している、中央大学(CBS)であれば戦略に強い等です。各学校のWEBサイトやパンフレットをしっかり見て特色を把握することは非常に重要ですが、30校分も調べるのはかなり大変です。そこで、各学校の特色を調べる前に、2つの軸を元に学校を選ぶことをお薦めします。
 1つ目の軸は、全日制(フルタイム)か夜間(パートタイム)かです。全日制では主として平日の昼間に学びます。例えば、KBSの場合、9:00から16:15、場合によっては19:40まで授業になります。授業後は翌日の授業に向けて予習します。1日の大半を勉強に費やすことができるので、じっくり学べるというメリットがあります。反面、企業派遣でない限り、仕事を休職又は退職しないと学校に通えないというデメリットがあります。2年間収入がゼロでも生活できるようにしておく必要があります。
 一方で、夜間は働きながら通うことが前提となるので、キャリアを中断せずに勉強できるというメリットがあります。しかし、そのためには上司や同僚の理解を得ておく必要がありますし、2年間仕事と学業を両立できるかどうかもポイントとなります。仕事を定時で終わらせ、夜は授業、帰宅後は予習復習し、また出社するというサイクルを2年間続けられる環境を整えておく必要があります。
 全日制、夜間共にメリット、デメリットがあることがお分かりいただけたと思います。自身が置かれている環境、MBA修了後のキャリアプランをしっかりイメージしたうえで、どちらが良いか選ぶことを薦めます。
 次の軸は国公立か私立かです。国公立と私立で学習内容が大きく異なることはありませんが、最も異なるのは学費です。国公立の学費は2年間で150万円前後の学校が多いですが、私立の場合は千差万別となります。安価な私立は2年間の学費が200万円ほどになりますが、400万円の学校もありますし、700万円かかる学校もあります。自身がいくらまで支払えるかをしっかり検討したうえで、国公立と私立のどちらに進学するか決めましょう。

◎MBA入試概要
 入試と聞けば、多くの方は大学の学部入試のことをイメージすると思います。したがって、大学院入試でも現代文、英語、地理歴史、物理化学を勉強しなければならないのかと思うかもしれません。結論から言えば、大学院入試では、学部入試のように、教科の知識を求められることはありません。大学院入試で実施されるのは、書類審査、筆記試験、面接です。学校によっては筆記試験がない場合もありますが、基本的にはこれら3つの試験が課されると思って良いです。
 書類審査:学校が事前に用意する質問に対する回答内容が審査されます。質問の内容は学校によって異なりますが、「志望動機」「研究内容」「修了後のキャリアプラン」の3つはどの学校でも求められると言って良いでしょう。
 筆記試験:小論文のことです。90分から120分で設問に対する自身の考えを書いていきます。小論文の出題内容は学校によって異なります。国公立は経営学の知識を問う問題が出題される傾向がありますが、私立の場合は経営学の知識を問われることはありません。その代わり、私立の場合は、どんな問題が出題されるか分からないという特徴があります。それゆえ、どんな問題が来ても回答できるよう訓練しておく必要があります。国公立、私立問わず、小論文対策は非常に重要です。しっかり対策をして試験当日を迎えることが望まれます。
 面接:提出した書類の内容、筆記試験の結果に基づいて面接が実施されます。面接官3名に対して、受験生1名という形式が多いようです。書類に記載した志望動機、研究内容、修了後のキャリアプランについて深堀した質問が投げかける他、担当業務、所属企業、業界についても訊かれる場合が多いです。筆記試験同様、面接も複数回練習した上で試験当日を迎えましょう。

◎終わりに
 今月は「学校選びのポイントとMBA入試概要」について案内してきました。皆さんにとって有益な情報であればうれしく思います。これから1年間毎月MBA入試に役立つ情報を発信していきます。来月のチュートリアル通信は「筆記試験対策」について書いていきます。お楽しみに!