MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信5月号 筆記試験対策

2020年度MBAチュートリアル
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。以下は、MBAチューターから皆さんへのメッセージです。今後の受験対策のご参考にしてください!


◎筆記試験とは?

国内MBA入試は3種類あると4月のチュートリアル通信で述べました。その3種類とは、筆記試験、書類審査、面接のことを言います。5月のチュートリアル通信では、筆記試験対策について述べていきます。
国内MBA入試で言う筆記試験とは小論文を指します。小論文とは、与えられた設問に対して自分の主張を根拠と共に論じていくタイプの試験です。例えば、「在宅勤務に賛成か反対か」と問われたら、「在宅勤務に賛成する。その理由は3つある。第一に・・・だからである。具体的には・・・」のように解答していきます。自身の体験や感想を述べる作文とは大きく異なることに注意しましょう。
当然のことながら、筆記試験は無限の解答時間があるわけではなく、無限の量を書けるわけでもありません。多くの場合、試験時間は90分~120分で、「1,200文字以内で述べよ」のように、字数制限が設けられています。したがって、限られた時間の中で、コンパクトに意見をまとめる力が求められます。また、小論文は手書きで文章を書くので、手書きに慣れておく必要があるほか、原稿用紙の使い方も改めて確認しておく必要があります。

◎筆記試験対策の重要性
ここで、なぜ筆記試験対策をいの一番にしたのかを述べます。理由は2つあり、1つは小論文に四苦八苦する受験生が多いからです。受験生の多くを占める社会人は短く端的に書くことを求められます。ビジネスメールにせよ、稟議書にせよ、だらだら長く書くことはご法度です。一方で、小論文は主張と根拠を書くので、必然的に文章量は長くなります。ビジネス文書と小論文は対極に位置すると言って良いでしょう。したがって、社会人が慣れていない形態の文章を書くことになるので、小論文に四苦八苦するというわけです。
2つ目の理由は、小論文の力が出願書類と面接でも重要になってくるからです。繰り返しになりますが、小論文は主張と根拠で構成されます。実を言うと、この構造は出願書類と面接も同じなのです。書類と面接で問われることは「なぜMBAを目指すのか?」「何を研究したいのか?」「キャリアゴールは何か?」などです。これらが小論文で言う設問に当たります。これらに対して、「私がMBAを目指す理由は・・・。なぜなら、・・・」「私が研究したいのは・・・。なぜなら、・・・」「私のキャリアゴールは・・・・なぜなら、・・・」のように答えます。これらは小論文の解答に当たります。注目して欲しいのは、解答も主張と根拠で構成されることです。したがって、小論文にしっかり解答できれば出願書類と面接にも役立てられます。筆記試験を制する者はMBA受験を制すると言っても過言ではないのです。

◎筆記試験を課す大学院・課さない大学院

 KALSの受講生の多くが進学を希望する大学院の中で、2019年度の入試で筆記試験を課した大学院と課さなかった大学院をまとめました。なお、2020年度の入試では変更される可能性があるので、必ず自身の志望校の募集要項を確認しましょう。
筆記試験あり筆記試験なし
国公立筑波大学
東京工業大学
一橋大学
東京都立大学(旧首都大学東京)
横浜国立大学
京都大学
神戸大学
私立慶應義塾大学
早稲田大学
法政大学
立命館大学
東京理科大学
青山学院大学
明治大学
中央大学
立教大学
名古屋商科大学
同志社大学

◎小論文が上達する方法
 国公立は経営学の知識問題を好んで出題するのに対し、私立では経営学の知識は問われず多様な問題が出題されるという違いがあるにせよ、小論文が上達する方法は2つしかないと考えます。

1. とにかく解きまくる
2. 他人からフィードバックをもらう


出来るだけ多くの問題を解きましょう。多く解くことで、短い時間で解答をまとめることができるようになりますし、問題の出題パターンも把握できるようになります。大半の大学院は過去の試験問題をWEBサイトに掲載しています。ダウンロードしてどんどん解いていきましょう。
ただ、その際、自身の解答が本当に読み手に伝わるのかは分からないと思います。そこで、解答後は第三者に読んでもらい、フィードバックをもらうことを薦めます。こうすることで、自身の解答に何が足りないのか、より伝わる文章にするためにはどうすれば良いかが分かるようになり、より良い解答をまとめることができるようになるでしょう。

◎終わりに
 筆記試験対策で培った書く力は何も受験でしか活用できないわけではないです。入学後も大いに役立ちます。と言うのも、MBAの2年間で小論文と同様に主張と根拠を用いて文書を書く機会は多くあります。修士論文は言うまでもなく、日々の授業でのレポートや定期試験の際も役立ちます。受験の時のみならず、入学後も見据えて書く力を養っていきましょう!来月のチュートリアル通信では「書類審査対策」について書いていきます。お楽しみに!