MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信7月号 面接対策

2020年度MBAチュートリアル
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。以下は、MBAチューターから皆さんへのメッセージです。今後の受験対策のご参考にしてください!


◎面接とは?

 面接とは、面接官が質問したことに対して、自身の考えを回答するタイプの試験になります。出願書類、筆記試験(小論文)、面接の3つの試験の中で、最も馴染みがある試験が面接ではないでしょうか?なぜなら、多くの方がこれまでの人生の中で面接を経験したことがあるからです。
新卒採用、中途採用の面接では、面接官が複数名いるのに対し、応募者が1人という形が多いと思います。MBA受験における面接も同様です。面接官(教員)3名、受験者1名の形態が多いです。私が2019年2月に慶應義塾大学大学院(KBS)及び早稲田大学大学院(WBS)の両方を受験した際もそうでした。面接時間は15分程度とする学校が多いようです。

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◎面接で質問されること
  面接ではどのようなことが質問されるのでしょうか。志望動機、研究・学習計画、修了後のキャリアプラン等出願書類に記載したことを質問されるのは想像つくと思いますが、現在の仕事、お勤めの職場、業界に関すること、入学後にどう貢献するかも質問されます。私がKBSとWBSを受験した際に質問されたことの一部を以下に挙げます。
  • 自己紹介をお願いします。
  • なぜKBS/WBSを志望したのですか?
  • なぜフルタイムMBAを志望したのですか?
  • 海外のMBAになぜ行かないのですか?
  • 入学後どのような研究をしたいですか?
  • どのような形でクラスに貢献できますか?
  • 興味のある授業は何ですか?
  • どの教員の下で論文を執筆したいですか?
  • お勤めの企業/業界の強みは何ですか?
  • お勤めの企業/業界の課題は何ですか?
  • これまで業務で何を成し遂げましたか?
  • 修了後のキャリアについて教えてください。

◎面接に臨む前に
  面接の質問内容を見てお分かりの通り、出願書類をしっかり書き、自身の業務についてよく分かってはじめて、面接官の質問に適切答えることができます。15分という限られた時間しかないので、アイスブレイク的な質問や雑談はないと思って良いでしょう。面接に臨む前には、面接の練習をしておくことだけでなく、完成度の高い出願書類を書き上げ、提出しておきましょう。

◎Keep It Short and Simple(KISS)
 ここからは、より有意義な面接となるようなアドバイスをしていきます。言うまでもなく、面接は人と人とのコミュニケーションです。面接官と受験者の会話が成り立つようにしていくことが、うまくいく面接のコツとなります。では、そのような面接を実現させるためにはどうすれば良いのでしょうか?それがKeep It Short and Simple(KISS)です。
 KISSを直訳すると、「短く簡潔にし続ける」となります。本文脈の場合、何を短く簡潔にするのか(Itが何を指すか)は、面接官が質問した内容に対する回答です。つまり、KISSとは、「面接官が尋ねたことに対して短く簡潔に答え続ける」となります。
例えば、「本校の志望動機について教えてください」と問われれば、「私が御校を志望した理由は、チームでのパフォーマンスを上げる方法をミクロ組織論の観点で研究したいからです。現在営業のリーダーを務めていますが、メンバーの受注件数が悪く、業績向上に寄与できていないことがきっかけでこのようなことを研究したいと思いました。」と回答します。この程度で十分です。回答時間は長くても、30秒程度にしましょう。
なぜ短く簡潔にしなければならないか、疑問に思う人も多いでしょう。1つの答えは、面接官は事前に出願書類を読んでいるからです。つまり、質問に対する詳しい回答は、面接官は知っているのです。したがって、長々と回答する必要はなく、自身の言いたいことのポイントのみを伝えるだけで良いです。また、ダラダラと長い回答をすると、聴いている側(面接官)の集中力が切れてしまい、受験者の印象はかえって悪くなる可能性があります。間違っても、出願書類に書いたことを丸暗記して、音声再生ソフトのように話し続けることはしないでください。
もっとたくさん話して面接官にアピールしたいと思う人もいるかもしれないですね。その場合は、面接官からの追加質問を待ちましょう。皆さんが話す内容が興味深い内容であれば、面接官は回答内容に関連する質問をどんどんしてくれます。質問→回答→質問→回答のサイクルを回していくことで、皆さんの思いや考えを面接官に深くアピールすることができるでしょう。


◎終わりに
 今月のチュートリアル通信で言いたかったことは2つです。1つ目は、出願書類をしっかり書き上げて欲しいことです。2つ目は、ダラダラ長く回答するのではなく、短く簡潔に回答することです。以上の2つを守っていただければ、有意義な面接試験になると思います。
 4月から7月にかけて、主に国内MBA受験の試験対策について述べてきました。8月及び9月は入学後の勉強の様子をKBSの事例を用いて紹介していきます。8月はKBSの基礎科目に、9月はKBSの専門科目に焦点を当てていきます。どうぞお楽しみに!