チュートリアル通信8月号 面接対策について
河合塾KALSの大学院入試対策講座では、チューター制度を導入しています。授業での合格指導のみならず、受講生向け学習ガイダンス「サクセスチュートリアル」や個別相談(カウンセリング)などを通じて、進路・志望先に関すること、自主学習に関することなど、合格に向けてきめ細かくアドバイスをしています。以下は、MBAチューターから皆さんへのメッセージです。今後の受験対策のご参考にしてください!
◎面接準備
「面接対策なんて8月には早くない?」と思う方は多いでしょう。
秋入試の場合、多くのビジネススクール(以下、BS)では11月ころに面接が設定されています。
当日を想定してのロールプレイングを行うことまでは、現時点では必要はないかもしれませんが、試験の全体像を知るための面接準備はとても意味があります。
KALS生は、面接対策の講義動画を早い段階で見ておきましょう。
面接にステージが進んでいるということは、研究計画書が面接官に届いており、筆記試験を課しているBSであれば、それが終わっている状態です。
最後の選考プロセスとして、面接が行われます。
「面接はお顔合わせ。そこまで頑張らなくても良い」という人がいます。
これは大きな間違いです。
2021年入学の試験(前回試験)では、面接で多くの受験生が泣いています。
例えば、前回試験では慶應(KBS)と早稲田(WBS)では、新型コロナウイルスの感染を懸念し、一堂に会する筆記試験は中止となりました。その分、研究計画書の審査は厳しく、面接の質問は鋭く、深くなりました。
既に提出した研究計画書をもとに、面接官は鋭く質問を重ねます。
「新規事業を軌道に乗せたい」「起業したい」などが志望動機にかかれていれば、具体的なビジネスプランを説明するよう求められます。売上・利益・ターゲット・競合・事業リスクなどまで詰めておかないと、答えることができません。「入学してから考えます」では合格は厳しいでしょう。
「事業継承したい」のであれば、なぜか問われます。親に言われたからなのか、自分の意志なのか。今すぐ売却したほうが良いのではないか。そもそも継ぐ必要があるのかなども問われます。事業継承を受け身で捉えている人は見抜かれてしまいます。
その他にも、「ビッグワード」は質問されやすいため、研究計画書で抽象的な言葉を使っている場合はその内容を詰めて、面接に備えましょう。
BSは、入学した学生が、卒業後活躍することを期待しています。
面接時の解答が抽象的であると、意志や覚悟が見えにくく、不利になります。明らかな目標をもって2年間のハードな時間を、自分の糧にできる人に来て欲しいとBSは考えています。
◎理路整然と答えた方が良いのか
面接でも、研究計画書や筆記試験同様に「聞かれたことに答える」ことが大切です。
ここで注意して頂きたいことが2つあります。
「暗記したことを言う」は不自然
想定問答をしすぎて、暗記した文章を流れるように唱えるような人は、不自然です。面接官は違和感を持ちます。用意してきた答えだとすぐに分かるので、予想外の質問を投げかけてみよう、と考えるかもしれません。これでは自分の首を絞めてしまいます。
答えを暗記するのではなく、どんな軸で答えるかを決めておき、自分の言葉に体温を乗せて話せるようにしましょう。
熱意は必要
MBAの面接ではロジカルに、クレバーな人物に見せた方が良いと考える方は多いのですが、そうとも限りません。
BSによっては、何よりも熱意が重要としているところもあります。
研究計画書や面接の大部分で、ロジカルかどうかは分かります。頭が良いだけで、BSに合格できるかというと、少し異なります。
特に社会人で日中仕事をして夜間学生生活を送るというのは心身ともに負荷がかかります。それを乗り越えるための熱意を見ています。
「どんなに仕事が忙しくても通えますか」と、意思を確認する質問が飛んでくることもあります。
ここで「なかなか調整が大変ではありますが…。できるだけ通います」と歯切れが悪い答えをする人よりも「はい、どんなに忙しくても辛くても通います!」とキッパリ答えられる人が選ばれやすくなります。
◎チューターへのありがちな質問とその回答
この時期は研究計画書で苦労している、という相談が多くあります。
今回は2つの質問をピックアップします。
「聞かれていないのに書くのでしょうか」
研究計画書は、BS によって、質問の内容、聞かれ方が少しずつ異なっているので、それに合わせて答えることが必要です。聞かれたことに答えるのは最低限ですが、「ズバリ」聞かれていなくても、書いた方がよいことがあります。
それは「研究テーマ」です。例えば、中央大学(CBS)では①これまでの実務での経験および業務実績②志願理由③本研究科で学びたいことを書くように求められており、「研究テーマ」「仮説」「検証方法」などまで書くようには求められていません。ただし、これは③の項目で書くことができます。
ズバリ聞かれていなくても、そこまで考えて受験に臨んでいることを伝えることが大切です。
「自分が書きたいことから離れてしまう」
毎年この悩みでカウンセリングに来られる方が何人もいらっしゃいます。
ほとんどの場合「いろんな人から意見をもらいすぎ、聞きすぎている」ことが原因です。
いろんな人に見てもらうことは良いのですが、専門用語が多くて読みにくいかどうか、話が理解できるかどうかくらいに留めた方がよいでしょう。研究計画書の書き方は、KALSで何度もお伝えしています。それを踏襲してください。
研究計画書は受験のための書類であり、入社のための職務経歴書ではありません。会社の先輩や上司からアドバイスをもらうと、どうしても職務経歴書視点のアドバイスになり、ブレます。
自分がMBAを志した初心を素直に研究計画書に反映させ、KALSの講義や指導を参考にして完成絵を目指してください。他人の意見によって自分の書きたいことをブラさないことが重要です。
◎終わりに
次回は、チューターの卒業校WBSについて、在学中・卒業後について触れます。
入学後をイメージして受験を乗り切りましょう!