チュートリアル通信第15回 国内MBAランキング
チュートリアル通信
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第15回 国内MBAランキング
皆さん、こんにちは。昨年2015年10月教育コンサルタント・サービス会社Eduniversalが世界ビジネススクールランキングを公表し、慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)が日本1位を獲得しました。MBA受験生のなかには、ランキングや国際認証に少なからず関心を持っている方がいらっしゃいます。そこで今回はMBAランキングにつき整理したいと思います。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りさせていただきます。
◎MBAランキングの見方
1 Eduniversalランキングの概要
Eduniversalランキングは、はじめに同社で国内外の影響力や教育・研究の質などに基づいて5段階で格付けした後、各研究科の学長による互選で順位付けを行っています。ランク付けは大学単位で行われているため、KALSで志望者が多い一橋大学大学院商学研究科(HMBA)ではなく、国際企業戦略研究科(ICS)が評価の対象になっています。また、京都大学大学院、北海道大学大学院では経済学研究科がランクに含まれているなど、皆さんが認識されている「ビジネススクール」とは多少ズレが生じています。その意味では、このランキングをあまり深刻に受け止めず、あくまで評価のひとつに過ぎない捉えたほうがいいと思います。
とはいえ、ランキングはやはり刺激になるもので、筆者(WBS出身)の周囲も「KBSに負けた!」と悔しがる方もいらっしゃいます。結果に一喜一憂すること自体は悪くないと思います。
他のランキング
ところで、Eduniversalランキングは2007年から発表している比較的新しいものです。伝統的なMBAランキングとして、Financial Times(FT)、The Economist、U.S. News(米国のみ)があげられます。これらは、MBA卒業生を採用する企業の人事担当者による評価、卒業生の給与など、様々な視点でランク付けしています。
FT、The Economistとも上位には欧米のビジネススクールが占める一方、アジア、特にシンガポールや香港のビジネススクールのランクが急激に上昇しています。アジアのビジネススクールは欧米で著名な教授を積極的に採用しつつ、グローバル企業への就職支援のも取り組むことで評価をあげています。他方、日本のビジネススクールはというと、Eduniversalランキングで上位だったKBSやWBSはランク外で、唯一国際大学がThe Economistで90位(2015年度)にランクされています。日本のビジネススクールの評価が高くないのは、日本国内の企業がMBA採用に積極的でないこと、役員クラスの給与水準が欧米に比べ低いことが要因と考えられます。日本のビジネススクール側で考えると、世界レベルで優秀な人材を集めるうえでは、今以上に研究や企業へのアプローチが求められると思います。他方、皆さんMBA受験生側で申し上げると、ランキングにあまりこだわるのは禁物だと思います。というのも、国内企業の評価がまだ定まっていない以上、「どのMBAに卒業したか」というのは現時点で大きな差がでないと考えられるからです。
チュートリアル通信で何度か申し上げたとおり、国内のビジネススクールでは「入学後何を学び、どのようなキャリアを歩むか」という観点で、ご自身に適したビジネススクールを見つけることが大事です。ランキングはあくまでも参考のひとつとして捉え、志望校を選定することをお勧めします。
以上、MBAランキングについて述べさせていただきました。
最後に、国際認証についても触れておくと、国内のビジネススクールで認証を受けているのは、KBS(AACSB,EQUIS)と名古屋商科大学大学院(AACSB,AMBA)の2校のみです。いずれのビジネススクールもEduniversalランキングで上位に入っていますが、だからといって「認証を受けた学校=自分にふさわしい学校」と決めるのは早計です。今後、国内認証を得るビジネススクールは増えてくると思いますが、あくまでひとつの指標として捉えておくことをお勧めします。
◎MBAランキングの見方
1 Eduniversalランキングの概要
Eduniversalランキングは、はじめに同社で国内外の影響力や教育・研究の質などに基づいて5段階で格付けした後、各研究科の学長による互選で順位付けを行っています。ランク付けは大学単位で行われているため、KALSで志望者が多い一橋大学大学院商学研究科(HMBA)ではなく、国際企業戦略研究科(ICS)が評価の対象になっています。また、京都大学大学院、北海道大学大学院では経済学研究科がランクに含まれているなど、皆さんが認識されている「ビジネススクール」とは多少ズレが生じています。その意味では、このランキングをあまり深刻に受け止めず、あくまで評価のひとつに過ぎない捉えたほうがいいと思います。
とはいえ、ランキングはやはり刺激になるもので、筆者(WBS出身)の周囲も「KBSに負けた!」と悔しがる方もいらっしゃいます。結果に一喜一憂すること自体は悪くないと思います。
他のランキング
ところで、Eduniversalランキングは2007年から発表している比較的新しいものです。伝統的なMBAランキングとして、Financial Times(FT)、The Economist、U.S. News(米国のみ)があげられます。これらは、MBA卒業生を採用する企業の人事担当者による評価、卒業生の給与など、様々な視点でランク付けしています。
FT、The Economistとも上位には欧米のビジネススクールが占める一方、アジア、特にシンガポールや香港のビジネススクールのランクが急激に上昇しています。アジアのビジネススクールは欧米で著名な教授を積極的に採用しつつ、グローバル企業への就職支援のも取り組むことで評価をあげています。他方、日本のビジネススクールはというと、Eduniversalランキングで上位だったKBSやWBSはランク外で、唯一国際大学がThe Economistで90位(2015年度)にランクされています。日本のビジネススクールの評価が高くないのは、日本国内の企業がMBA採用に積極的でないこと、役員クラスの給与水準が欧米に比べ低いことが要因と考えられます。日本のビジネススクール側で考えると、世界レベルで優秀な人材を集めるうえでは、今以上に研究や企業へのアプローチが求められると思います。他方、皆さんMBA受験生側で申し上げると、ランキングにあまりこだわるのは禁物だと思います。というのも、国内企業の評価がまだ定まっていない以上、「どのMBAに卒業したか」というのは現時点で大きな差がでないと考えられるからです。
チュートリアル通信で何度か申し上げたとおり、国内のビジネススクールでは「入学後何を学び、どのようなキャリアを歩むか」という観点で、ご自身に適したビジネススクールを見つけることが大事です。ランキングはあくまでも参考のひとつとして捉え、志望校を選定することをお勧めします。
以上、MBAランキングについて述べさせていただきました。
最後に、国際認証についても触れておくと、国内のビジネススクールで認証を受けているのは、KBS(AACSB,EQUIS)と名古屋商科大学大学院(AACSB,AMBA)の2校のみです。いずれのビジネススクールもEduniversalランキングで上位に入っていますが、だからといって「認証を受けた学校=自分にふさわしい学校」と決めるのは早計です。今後、国内認証を得るビジネススクールは増えてくると思いますが、あくまでひとつの指標として捉えておくことをお勧めします。