2018年MBAチュートリアル通信

チュートリアル通信第16回 国内MBA秋入試を振り返る

チュートリアル通信
国内MBA合格者が、試験の仕組みや国内MBA対策、MBA取得後などについて語るチュートリアル通信
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第16回 国内MBA秋入試を振り返る
国内MBA対策講座 河合塾KALS

皆さん、こんにちは。さて、秋入試も一段落つき、一橋大学大学院(HMBA)、慶應義塾大学大学院(KBS)、早稲田大学大学院(WBS)など、KALS受講生からも続々と合格しています。本号は、冬入試対策の参考になるよう、2015年度秋入試の傾向を分析したいと思います。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りさせていただきます。

◎2015年度国内MBA秋入試を振り返る

1 全体の傾向

ほとんどのビジネススクールにおいて、筆記試験のレベルは昨年と大きく変わらなかったと言えるでしょう。HMBAは例年と同様、抜粋された文章から要旨をまとめたうえで、筆者の意見を対比しつつ自身の意見をまとめる形式でした。文章自体も例年どおりのレベルでしたので、KALSのテキストや課題をしっかりこなした方であれば問題なく解くことができたと思います。

プログラムの変更が行われた首都大学東京大学院では、今年度よりマーケティングが試験科目に含まれました。出題は、チャネル戦略(流通系列化)と関係性マーケティング(顧客生涯価値)に関する問題でした。顧客生涯価値では、数式が提示されたため面食らった方もいらっしゃるかもしれませんが、単純に定義を数式で表しただけなので落ち着いて読み解けば問題なかったと思います。首都大学東京大学院では基本的な知識を試す問題も散見されるので、研究計画書を作成するにあたり学部レベルの基本書に目を通しておけば万全でしょう。

他方、口述試験はビジネススクールで大きく特色が出てきていると言えます。首都大学東京大学院では、研究テーマに関連する経営学の理論が正しく理解できているか、先行研究をどれだけ調べたかなど、研究に関する質問が集中しました。他方、HMBAやKBSは志望動機やキャリアプランを中心に質問されました。特にKBSは受験生に応じて柔軟に質問が練られた印象です。口述試験で特色が現れるのは、出願時の書類の違いにあります。研究計画書の提出を求めるビジネススクールでは研究に関する質問が、それ以外の書類形式で提出を求めるビジネススクールでは志望動機やキャリアに関する質問が中心となります。従って、口述試験対策はご自身が作成された出願書類を「自分が
面接官であればどこに興味を持って質問されるか」という観点で見直しましょう。詳細はチュートリアル通信13号をご参照ください。

2 WBSの傾向と対策

続いて、KALS受講生でも志望者が多く、10月生はじめ多数の方が受験を予定しているWBSについてまとめます。WBSの筆記試験はこれまで2題出題されていたのに対し、今年度より1題出題となりました。秋入試では、今年発覚した不正に関する新聞記事が取り上げられ、記事に書かれた事実をもとに不正が行われた要因、および同社が本来取るべき方策は何だったかを問う問題でした。過年度で若干奇をてらった出題があったのに対し、今回は論理力を的確に問う良問だったと思います。講義やカウンセリングでも、ビジネススクールで問われるのは論理力であると伝えたとおりの出題だったと感じています。WBSは試験委員が目まぐるしく交代するため同形式で出題されるとは限りませんが、論理力を試す問題は継続して出題されると予想されます。なお、今回の問題はKALSで保管していますので、早めに目を通しておきましょう。

WBSの本領は口述試験と言えます。特に夜間コースは筆記試験に比べ、口述試験を突破することが難しくなっています。もっとも、HMBAやKBSと同様、提出したエッセイをもとにこれまでの経歴や志望動機、ならびにキャリアプランに関する質問が多く占めている点では昨年とほぼ変わりません。特に、「なぜWBSを志望したのか」という点は厳しく問われた模様で、単に知名度やあこがれを主張するだけでは不十分で、自身が検討した内容を根拠づけて説明できたかどうかがカギとなります。

ところで、試験前日、口述試験を受験するKALS受講生と面談する機会がありましたが、WBSを第一志望に掲げる方が多かったからか、緊張でネガティブな発言を多用する、攻撃的になる、覇気がなくなるなど、普段どおりの調子で対応できないケースが多く見られました(いずれの方々も軌道修正して合格を勝ち取られました)。多少の緊張は仕方がないと捉え、悔いなく口述試験を終える気持ちを持って自分の考えをぶつけましょう。



以上、秋入試の傾向をまとめました。速報ベースのため多少不明確な部分があると思いますが、KALSで取り組まれたことが入試で活かすことができる、という点はご理解いただけたと思います。
これまで着実に準備されたのであれば、合格のチャンスは十分にあります。冬入試でも皆様の合格をお待ちしております。

MBAチューター