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口頭試問対策

2024年度
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口頭試問対策

新宿本校チューター:廣瀬 

◆はじめに

 研究計画書の作成、小論文試験の対策に続き、ここでは口頭試問の対策についてお伝えしていきます。口頭試問はその言葉のとおり、試験官や面接官の口頭での質問に対し、自分の言葉で答えるタイプの試験となります。そのためしっかりとした事前準備を行い、万全の態勢で臨むようにしてください。


◆面接マナーについて

 まずは、意外と疎かになりがちな基本的な面接マナーを知っておきましょう。
① 会場には時間に余裕をもって向かう
② フォーマルな服装、清潔感のある身だしなみを心掛ける
③ 入退室の仕方や姿勢、目線などの基本的な所作を確認しておく
④ 社会人らしい落ち着いた態度に、明るく積極的な話し方と笑顔を忘れない
⑤ 「話す」以上にきちんと「聞く」こと、会話のキャッチボールを大切にする
  勿論、これら以外にも基本的なマナーは沢山あります。面接慣れしていない学生さんも、ある程度マナーを押さえている社会人の方も、当日になって戸惑うことのないよう、面接マナーについて改めて確認しておいてください。


◆口頭試問の位置付け

 そもそも口頭試問は何のために実施されるのでしょうか。試験を実施する大学院・面接官である教授などの立場になって考えてみると、次のように捉えることができるはずです。
1)きちんとしたコミュニケーションを取れる人物であるか
 面接官(教授等)は約2年間、修士論文の指導をする立場にあります。この2年間を長いととらえるか短いととらえるかは人それぞれですが、面接官が「指導教員として、目の前の受験生と上手くやっていけるだろうか?」、「2年間という期間で、目の前の受験生に修士論文を執筆させることは可能だろうか?」などと考えるのは自然なことです。
 これは税法の基礎知識や能力的な観点ではなく、シンプルにきちんとしたコミュニケーションが取れるかどうかということです。多少、知識や能力が不足していたとしてもきちんとしたコミュニケーションを取れるのであれば、面接官は「この受験生は指導できる(指導してあげたい)」と思って、ポジティブな評価をしてくれます。
2)研究計画書の内容を自分の言葉で伝えられるかどうか
 皆さんは自分が作成した研究計画書の内容を自分の言葉で伝えることができるでしょうか。自分で作成した研究計画書ですから当然、自分の言葉で伝えられると思いますが、しかしこれは意外と難しいものです。
 研究計画書自体は書面で作成し提出するものですので極論、他人のものをコピー&ペーストしたり、判決文や参考文献を継ぎ接ぎしたりして作成することも可能となります。しかし口頭試問では、対面でのコミュニケーションなうえ、自分の言葉で答えることからこのような誤魔化しは通用しません。
 つまり、口頭試問は自分の作成した研究計画書の内容をしっかり理解できていないと、適切に対応ができないということになります。面接官は税法のプロフェッショナルですので、受験生がきちんと理解しているかどうかはすぐに分かります。研究計画書の提出が終わったからと油断せず、改めて内容を理解したうえで自分の言葉で伝えられるように準備する必要があります。


◆口頭試問対策

 以上を前提に次の2点に注意して、口頭試問の対策を実施していきましょう。
1)想定される基本的な質問に対しては、しっかりと事前に準備をしておく
 口頭試問では多くの場合、出願書類(志望理由書や研究計画書等)をベースとした質問が行われます。自己紹介や志望理由(大学院に入学したい理由及び数ある大学院からその大学院を選んだ理由)、研究計画書の概要については各3分程度で簡潔に説明ができるように準備しましょう。
 そのためには必ず、何回か口頭試問の練習をしておく必要があります。なぜなら、これらの質問をすると「受験生がきちんと準備をしてきたがどうか」が一目瞭然だからです。面接官は「当然、最低限の準備はしてきているだろう」という前提で質問しますので、このような基本的な質問でもたつくと、かなりネガティブな評価になってしまいます。研究計画書の内容を中心に想定される問答を検討し、事前に自身の考えを整理しておきましょう。
2)難しい質問やわからないことがあっても動揺することなく冷静に対応する
 どれだけ準備をしていても、答えにくい難しい質問がされることはあります。その際は焦らずに、まずは質問内容の理解に努めてください。場合によっては「質問内容は○○という理解でよろしいでしょうか?」等、面接官に確認するのも良いでしょう。
 そして、質問内容を理解したうえで「正確には分かりませんが、現時点で私が分かる範囲でお答えしますと……。」など、可能な範囲で回答することで、問題に立ち向かおうとする姿勢と論理的思考力をアピールすることが可能になります。

◆おわりに

 口頭試問の対策を進める時期は、大学院の入試が視野に入る頃だと考えられます。これまでに取り組んできた研究計画書の作成や小論文試験の対策での努力を無駄にしないよう、最後まで全力を尽くしましょう。
 想いは行動に現れ結果につながります。税理士を目指しているのは他の誰でもないあなた自身です。すべてが自己責任であると認識し、強い想いをもって最後まで主体的に取り組んでください。