心理・チュートリアル通信「実力診断テストの活用・直前期の勉強法について」(3)
2024年度
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
テストの活用・直前期の勉強法など
新宿本校チューター:古川
みなさんこんにちは!新宿本校チューターの古川潤弥です。それでは、今回は「実力テストの活用法について」です。テストの活用・直前期の勉強法について,私の経験を踏まえて伝えていきます。振り返りをするなど常識的なことは皆さんご存知だと思うので,違う観点からお伝えしたいと思います。
1.受験に慣れるため受験当日のように過ごしてみる
大学院受験の特徴として,「論述が多い」「面接がある」があげられます。したがって,大学院受験では不安な気持ちと付き合うことが受験合格の鍵であると言えるでしょう。このことから,テストを本番受験に慣れるために活用することをお勧めします。具体的には,受験当日に「起きる時間はいつか?」「朝食は何を食べるか?」「会場に持っていくものは何か?」「休憩時間の過ごし方はどうするか?」など当日で行う行動を計画して,その計画にそって本校のテストに挑んでみることがお勧めです。私も受講生時代にやってみて,「結構早く起きなければいけないんだ。」「途中休憩でおにぎりを食べると眠くなるな」など新しい気づきを得ることができました。事前に行動に沿ってテストに臨んでみて,それを踏まえて当日やる行動を決めることがお勧めです。
2. 学習の動機づけとして使う
皆さん本校では色んな講座を受けられていますが,どれくらいの時期にどれくらいの達成度を目標に定めているでしょうか?多くの方は,各学校の受験時期がバラバラなため,定めづらいと考えているのではないでしょうか?したがって,確認テストを河合塾の達成目標と捉えて勉強してみることをお勧めします。それまでにテキストを一巡するなど目標とそれ沿ってやることを明確化すると,モチベーションの維持につながることが多いです。私も本校のテストまでに心理英語と心理学概論・心理学を一周することを目標に勉強をしていました。どれくらいの期間でどのようなことをやる必要かが明確になると,集中して勉強に励めたのを覚えています。目標までにやるべきことは人それぞれ異なると思いますが,大学院受験日という先の目標から計画を立てるよりも,近い未来のテストを目標として設定した方がイメージしやすのではないでしょうか。ぜひ,テストを当面の目標と設定をして勉強する動機づけとして活用してみてください。
3.志望校に特化した自分の位置を知る
テストは,自分の学力の現状を把握する意味があることはみなさんもすでに知っていくことだと思います。一方で,心理系大学院の場合は自分の志望する大学院の出題傾向を捉えて,その分野のテストがどの程度できているかを知ることが重要です。したがって,各科目の偏差値以上に心理学のどの分野の問題が正解できたかを把握することが重要だと考えます。例えば,統計や学習心理学の分野を多く出題する大学院が志望校の場合,それらの分野の問題を解答できるかが志望校に特化した自分の位置を知ることが,心理学系大学院における現在の自分の位置を知ることになります。
ぜひ,自分の目指す大学院の分野ができているかを確認してみましょう。もし,問題をみてどの分野なのかわからない場合は,気軽にチューターに聞いてくださいね。
ここからは直前期の勉強法について,私の体験を交えながらお伝えできればと思います。
直前期になってくると問題をみて「この観点から記述すればいいのかな?」と考えられるレベルにはなっているのではないでしょうか?一方で,「実際に解答に落とし込むことが難しい」「答案は書いたけれど,これで正解なのか?」などで悩んでいる方が多いように感じます。
私のお勧めは,直前期の勉強は先ほどお伝えした「実際の試験を想定して受験してみる」ことに加えて,「解答のポイントを整理すること」・「フィードバックをもらう」がお勧めです。
解答のポイントを整理する
大学院受験の特徴は,模範解答がないことです。したがって,「書いたけれどそれが正解なのかわからない」「これで合格できるかわからない」と悩んでしまう受験生が多いように感じます。私も同様の悩みで困っていました。
その時は私が考えたのは,どのように大学院側は採点しているのだろということです。私が採点者ならば,必ず「どのようなことが描かれていたら得点になる」というリストを作成しているだろうと考えました。このことから,実際の試験を想定して受験し解答を作成することができたら,どのような問題に対してどのような解答のポイントで書いたかをノートやExcelなどで整理することがお勧めです。例えば,「学校のSCとして不登校の問題 → ①チーム学校 ②他機関連携 ③コンサルテーション ④機能的役割分担」があげられます。
このように,具体的な問題から少し抽象度を上げて,どのような問題にどのような観点で問題を解いたかを整理するのです。そうすることで,新しい問題に対しても応用することができますし,本番でも受験の不安で視野が狭くなっている状態でも「この問題はこのポイントで書けばいいだよな」と多角的な軸から解答をすることができるようになります。
誰かからフィードバックをもらう
一方で,答案は書いたけれど,これで正解なのかわからない悩みがあると思います。そのときは,今まで勉強してきた参考書,河合塾KALSの講義,友人やチューターからフィードバックをもらうことが役立ちます。志望校の問題を見た時少し抽象度を上げて考えてみると,今まで学んできた学習内容と関連づけられる部分がでてきます。たとえば,検査でアセスメントをする場面の事例問題が出題されたときに,「臨床心理アセスメントの講義があったな」と思い出すことができます。そうすると,河合塾KALSの先生方が講義している内容そのものが,解答を書くべきポイントになっていたりすることがあります。また,参考書は事前にそれについてどのように書けばいいかをポイント別でまとめてくれている「河合塾KALSの論述演習」などの参考書がお勧めです。私の場合も同様の勉強方法を直前期にしていましたが,問題の抽象度を上げて,参考書と講義内容を参照すると,9割程度「解答のポイント」を自分で整理することができました。
そして,それでもわからない場合はそもそも合っているのかわからない場合など友人やチューターに見せってフィードバックをもらうといいでしょう。新しい解答のポイントをくれること間違いなしです。
直前期はこれであっているのかなど不安も多くなる時期です。わからないことなどあったら気軽にチューターに質問してください。サポートさせていただきます。