心理・チュートリアル通信「科目勉強法について」
2024年度
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
科目勉強法について
新大阪校チューター:中島
皆さまこんにちは。 新大阪校チューターの中島です。
今回のテーマは、「科目勉強法について」です。
大学院入試では、高校や大学入試とはちがって、市販の参考書が少なく、また、周りに受験仲間がいない等の理由から、“どんなふうに勉強すればいいのか分からない!”とお困りの方がたくさんいらっしゃいます。そこで今回は、私自身や、これまでの合格者の方がどのような勉強法をしていたのかについて、科目ごとにご紹介したいと思います。
〈英語〉
・講座の「予習」と「復習」
英語では、予習として本文を自力で(はじめのうちは辞書も使いながら)和訳してから講座にのぞまれるとよいと思います。予め、どこの文が分からなかったのかが明らかになっていれば、そこを重点的に授業で聞いて復習すればよいので、時間やエネルギーの節約にもなります。
ちなみに私は予習で、(1)訳せたけど意味が分からない文に星1つ、(2)全然分からなかった文に星2つ、また、(3)先生の解説をきいたら、予習では分かっていたつもりだったけど実は間違っていた文にはドクロマークをつけていました(笑)。復習では、ドクロや星2つを付けた文をノートに書き写し、文構造や自分がどこでつまずいていたのかについてメモしました。
・時間があるなら英検・TOEICなども可
もし受験まで1年以上ある方でしたら、英検やTOEICといった試験にチャレンジしてみるのもおすすめです。これらの試験は、心理学とは異なる分野の英文が中心ですが、基本的な英文構造に慣れること、また、豊富な参考書や問題集で丁寧に学んでいけるというメリットがあります。志望校にもよりますが、英検2級あたりが丁度いい訓練になるかと思います。しかし反対に、入試まで半年を切っている方にとっては、かえって院入試のための時間を圧迫してしまうおそれがあるため、おすすめしません。
・参考書や論文を活用
講座テキストに加えて、さらに英語を強化したい方には市販の参考書もよいでしょう。数こそ少ないですが、「心理 大学院 英語」等のキーワードで通販サイトや大型書店で検索してみると数点ヒットします。また、GoogleScholarなどに公開されている英語論文を和訳練習に活用することもできます。こちらは志望校の過去問を参照し、出題されそうな分野の論文を検索して選ぶとよいでしょう。和訳の答え合わせには、翻訳サイトやアプリを使うと効率的です。「翻訳サイト 無料」等で検索すると、いくつか出てきますので、使いやすそうなものでやってみてください。(ちなみに、こうした翻訳サイトは大学院生になってからも大変に重宝します。)
〈心理学〉
・用語ノート(ただし、注意も必要)
代表的な勉強法に、心理学用語とその説明や意味をノートにまとめた「用語ノート」をつくっていくというものがあります。こちらは、勉強を始めたころの、とにかくインプットしていく時期には、知識を体系化していくうえで有効であると思います。ただし、注意点としては時間をかけすぎないこと、また、完成にこだわらないことがあります。時間のことでいうと、テキストや参考書の文章をそのままノートに写していくのではなく、短文・箇条書きでまとめる、キーワードをメモする方法がいいでしょう。はじめの方で時間をかけすぎると、全体を網羅するまでに時間切れになってしまうリスクがあります。また、文章はそのまま記憶するには情報量が多すぎるため、かえって定着しにくいというデメリットがあります。
また別のポイントとしては、各ページには十分な「余白」を残しておくことをおすすめします。これは、後から学習が進んできて、新たに出会った知識を追加で記入していくためです。このように、用語ノートをつくる際には、1語1語こってりと完成させてから次へ行くイメージではなく、50%ぐらいの情報量で全体をさっと網羅していき、徐々に追加でブラッシュアップしていく方法で取り組んでみてください。
・復習で力だめし
こちらは私が個人的にやっていたことで、少し恥ずかしいのですが、ご紹介します。私は当時、講座の復習について次のように行っていました。
(1)講座を受けた日の夜(もしくは翌日の朝)、その日の講座で習った内容を“何も見ないで“復習ノートに書きだす。→(2)当然ながら、全てを思い出せるわけではないので、一度、テキストや授業ノートを見て、再びそれらを閉じ、何も見ないで(1)の続きに思い出したことを書く。 →(3)これらを何度か繰り返し、それでも抜けているところは、赤ペンなどで(2)の続きにメモする。
お分かりいただけるように、“何も見ないで”どこまで思い出せるかという力試しを大切にしていました。この習慣が定着してくると、アウトプットすることが前提で授業をきくことになるので、集中力向上の効果もありました。また、こうして出来上がった復習ノートは、上から順に、自分にとって定着しやすい内容→忘れやすい内容という順で書かれていることになります。したがって、試験直前では、ノート下段の“忘れやすい”内容を中心に目を通すことで、効率的に直前の準備をすることができます。
・書いたものを誰かに見てもらう
用語説明や論述を書いてみられたなら、先生やチューターにぜひ一度見てもらいましょう。書き方や文構成などは、特に初期の柔軟なうちに、専門の人に軌道修正をしてもらった方がよいと思います。講座によっては、宿題や小テストなどを実施してくださる機会があるかもしれません。そんな時は、ぜひ積極的に提出し、フィードバックを得てください。はじめのうちは訂正ばかりで少々ヘコむかもしれません…(泣)。ですが、そうやって何度も軌道修正を受けていくことこそが、大学院への一番の近道なのだと、これまでの合格者の方々を見てきて感じるところです。
いかがでしたでしょうか。
これから勉強を始める方はもちろん、もうすでに始めていらっしゃる方にも、勉強法をふりかえっていただくきっかけになれば幸いです。
また、今回ご紹介した方法の他に、皆さまお一人おひとりの状況に合わせた勉強法については、ぜひ各校舎のチューター・カウンセリングをご活用ください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。