心理・チュートリアル通信「研究室訪問」(3)
2025年度
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
「研究室訪問」について
新宿本校チューター:岡本
こんにちは。KALS新宿本校チューター岡本です。新学期が始まりいかがお過ごしでしょうか。受験勉強を始める中で、だんだん志望校に関しても考えないといけないな…と思い始める時期なのではないでしょうか。
そこで今回は志望校選びに大切な「研究室訪問」について自身の経験を踏まえながらお話させていただきます。
1.研究室訪問とは何?
研究室訪問とは、文字通り「受験前に、志望する学校の先生の元に訪問すること」です。対面あるいはオンラインで先生とお話をし、研究室や学校の雰囲気を掴むことが目的です。
2.研究室訪問ってした方がいいの?受験に有利になるの?
チューターカウンセリングの中で「研究室訪問をしたほうがいいのですか?」「研究室訪問をすることで受験に有利になりますか?」といったことをよく聞かれます。私は「試験の合否に直接的な影響はないが、研究室訪問は様々なメリットがあるので行った方が良い。」と答えます。そう答える理由をいくつかお話させていただきます。
(1)入学後のミスマッチを防ぐことができる
私はこれが研究室訪問をする1番の理由だと思います。大学院入試は大学入試よりも情報が少ない傾向にあります。したがって自主的に情報を取りにいかないと、入学した後に「思っていた学校と違った!」「先生となんだか相性が合わない…」といった事態が生じる場合があります。せっかく頑張って勉強したのに、そうなってしまったらもったいないですよね…。安心して入学するためにも、先に研究室や学校の雰囲気を知ることは重要です。特に第一志望、第二志望くらいの学校は研究室訪問をするのがおすすめです。
(2)自身のしたい研究ができるかどうかの確認
先生によって教えることのできる分野や分析方法も異なります。もしご自身が作った研究計画書の内容が、先生の教えられる範囲外であった場合、「この研究は私のゼミでは教えられない」ということで合否に影響が出たり、入学後に希望するゼミに入れないといったことも起こるかもしれません。したがって、事前に研究室訪問に行き、研究計画書について相談することでそのようなリスクを避けることができます。
(3)受験対策に役立つ情報が手に入れられる
特に外部入試の場合、過去問が手に入れられなかったり、受験対策がしにくいといったことが生じると思います。研究室訪問時には、院生の先輩と会うことができる場合もあります。そのようなときに過去問をもらったり、どのように勉強していたのかを聞くことによって、他の受験生よりも有利に勉強を進めることができます。
繰り返しになりますが、研究室訪問に行くこと=合格に直結するわけではありません。しかし以上の様なメリットを考えると少し勇気を出して行ってみるのもよいのではないかと考えます。
3.研究室訪問で何を聞けばいいの?
研究室訪問をすることが決まったけれど、先生に何を聞けばいいのか分からない…といった声もよく聞きます。参考例としていくつか挙げさせていただきます。
(1)自分の研究について
・自身の研究が研究室内で実施できるかどうか
・自身の研究を見て、先生がどう感じたか、改善するならどうすればよいか
(2)進路について
・先輩はどのような進路に進んでいる人が多いのか
・どのように就活を進めていたのか
(3)授業スケジュールについて
・授業の忙しさについて
・実習先やその内容について
・バイトができるか否か
・ゼミの頻度
(4)研究室の雰囲気について
・先輩や後輩との縦のつながりはあるのか
・同期の院生同士の関わりの深さ
・例年、何名くらいがゼミに所属するのか
研究室訪問で聞くことについてとても悩まれている受講生の方が多いですが、研究室訪問は「面接試験」ではないため、そこまで緊張されなくても大丈夫です。ご自身が聞いてみたいことや気になることを率直に聞いてみるのが良いと思います。
4.研究室訪問時の注意点
最後に訪問時の注意点についてお話させていただきます。
(1)来校の約束を行う時
大学によって異なります。例えば大学の先生にメールや電話で直接連絡する場合もあれば、研究室訪問について明記されていない場合もあります。大学から特に指定がない場合については、大学の入試課など事務の方を通してご連絡をするとスムーズかと思います。
(2)服装や持ち物
オフィスカジュアルな服装で行かれるのが良いかと思います。持ち物は筆記用具、メモ、研究計画書(問題と目的、方法の概要を簡単にまとめたもの)などをもっていくとよいでしょう。菓子折りなどは特に不要であると考えます。
5.最後に
研究室訪問のことを考えると緊張したり、不安になったりする方も多いのではないかと思います。しかし勇気を出して行ってみると、先生は温かく迎えてくださったり、受験生を応援してくださることもあります。この記事が少しでも皆さんのお役に立てればうれしいです。分からないことや心配なことがあれば、いつでもチューターにご相談くださいね!