心理・チュートリアル通信「出願準備」(3)
2025年度
チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。
出願の準備を進めよう
新宿本校チューター:井上
こんにちは、KALS新宿本校チューター井上です。
暑い日々が続きますが、体調はいかがでしょうか。
今回のテーマは、「出願の準備」についてです。
夏受験の方は、受験のシーズンに入り、これから出願をする方も多いのではないのでしょうか。私も1年前は塾生で、ちょうどこの時期に出願・受験をしました。また、冬受験を検討している方も、少し先のことですが、参考になると嬉しいです。
どれだけ準備しても不安になる出願。自身の経験も踏まえて3つの観点からお話しします。
1.募集要項の確認
受験をするにあたり、全員が確認する募集要項ですが、大学によって提出物や受験条件は異なります。ここですべてを網羅することは難しいのですが、自身の体験を踏まえたチェックポイントをいくつかご紹介します。
・必要書類の確認
―成績証明書や資格証明書は入手まで時間がかかることもあり。
―院進学を機に在籍中の学校を退学することを検討している人は、受験承認書が必要になることも。二重学籍の可否についても確認が必要。
―在職中の場合も受験承認書が必要になることがある。さらに、自身の仕事内容について記載した、職歴調書が求められることも。また仕事をしながらの通学が可能かについても確認が必要。
―その他、英語試験のスコア、卒論の要旨(ない人はそれに代わる研究)、推薦状など
・研究室訪問・指導教員の選択は必須か。
・出願はWeb、書類、両方?締め切りは同じ日か。消印有効か。
大学院に進学した後も、実習や研究にあたり、多くの書類を提出することになります。入試の書類提出や期限を守ることはその練習のひとつだとも考えられます。
2.研究計画書
皆さんが多くの労力を注いだであろう研究計画書。自分でWordに入力しているときは体裁が整っていても、大学指定の用紙にペーストするとずれてしまうということも。印刷をして、実際の見え方を確認しましょう。
試験監督の先生方はたくさんの研究計画書を確認しています。また、先生方の日々の業務の合間に入試が行われるため、一読でも内容が理解できるよう、わかりやすい表現を心がけましょう。表現や誤字脱字のチェックはぜひチューターカウンセリングをご活用ください。いろいろなチューターに見てもらうことで、多様な視点から意見を得ることができます。(面接対策にもなります。)
3.提出書類の中身
ここでは、書類を書く際に心がけておくとよいポイントをいくつか紹介します。
・独りよがりな志望理由になっていないか?
―心理専門職は他者への支援・社会貢献・連携が重要。
志望理由についても、自身の体験・想いだけでなく社会を見据えた内容を含むことがベターです。
・他の大学ではだめなのか?
―実習が多い・医療機関に携われる・SVが豊富…それはその学校だけの強みですしょうか。これらの内容にプラスして、受験校ならではの強みを書きましょう。
・書くべき内容の取捨選択
―取得している免許・資格のスペースは書ける内容が限られています。「心理」の大学院に入るために関係ある免許・資格は何でしょうか。書く内容に優先順位をつけましょう。
―提出書類に書いたことは、すべて面接や採点の対象だと思いましょう。嘘やごまかしはよくないですが、聞かれたら困ることは書かない方は良いです。
・表現は正しいか?NGワードを書いていませんか?
―調査票・質問紙をアンケートと言っていませんか。また、ボランティア・患者・被検者という表現も使い方によって注意が必要です。
・体裁・文字数は守られているか
-書き方に不安がある場合は、受験の担当窓口に確認しましょう。
体裁・文字数を守ることは、実習や将来の仕事でも必要になってきます。
(大学ではレポートを書く際、体裁・文字数が守られていないと受け取ってもらえないこともあります。)
出願やそれに伴う書類の提出は、実習や資格試験、心理専門職として働く際にも必要であり、入試はその準備といえるでしょう。実習にあたっては、学生だけでなく指導教員や学校にも責任が発生します。外部実習やクライエントさんを任せられる人材かどうかについても、提出書類や受験を通して、見られているのではないかと思います。
夏がはじまり、受験日が迫ってきた塾生の方も多いと思います。私は受験の2か月ほど前から、常に緊張や不安に包まれていました。塾生の方の中にも、入試に対する不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。そうしたときこそ、KALSの教員や事務の方、チューターなどに声をかけてみましょう。KALSにはたくさんのサポートがあります、いつでもお待ちしています。
頑張ることも大切ですが、今の時期は特に体調管理を意識しましょう!自身の心身が健康でないと、他者を健康にすることもできません!
皆様の努力が実ることを祈っています。