チュートリアル通信では、大学院に合格したKALSのチューターが、勉強法や参考図書、研究計画書について、各大学院の様々な情報や、心理士事情など皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。日々の勉強の合間の息抜きとして、是非ご覧になってみてください。

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新大阪校チューター：越川　

皆さんこんにちは。新大阪校の心理系チューターの越川です。

今回は専門科目の入試対策として、語句説明や論述問題の対策について紹介してみたいと思います。
この記事は、以下のような方におすすめです。
・本番までの、時期ごとの勉強方法を知りたい。
・具体的な勉強方法を知りたい。
・専門科目を攻略するときの秘訣を知りたい。


 ◆どう考える？時期ごとの勉強方法

本番に向けて受験勉強をするけれど、どの時期にどんな勉強をしたら良いかわからない！そういうことありますよね…。絶対はありませんが、ざっくりと、時期に応じた勉強方法について見ていきたいと思います。

◯インプットとアウトプット
大学院合格のためには入試問題で高得点を目指さなければなりません。そのためには大きく二つのことが必要です。一つ目は、「専門科目の知識量を増やす」ことです。そして二つ目は「入試問題に応じて得た知識をもとに回答をする」ことです。この両輪が機能して得点につながります。これら二つのことを達成するために行うのが「インプットとアウトプット」です。

◯インプットとは？
インプットとは、単語を覚えたり参考書を読むなどの知識を自分の中に溜め込むような学習方法を指します。専門用語の説明ができたり、専門用語同士の関係を理解したり、どんな時にその専門用語が用いられるのかを知っていたり…。専門知識をインプットすることが入試問題を解くためのリソースにつながります。

◯アウトプットとは？
アウトプットとは、問題を解いたり言葉に出してみることで記憶している知識の定着を確認するような学習方法を指します。「練習問題や過去問を解く」、「用語説明を実際に紙に書いてみる」、「覚えたことを人に教える」など、得た知識の活用がアウトプットと言えるでしょう。入試問題を回答する際は、自分の中の専門知識というリソースを、設問に適した形で表現することが求められます。

◯時期によってインプットとアウトプットの比率を調整する
インプットとアウトプットは、勉強の進度や試験日までの残り期間の具合によって適切な割合が変わってきます。この記事を読んでいるあなたがどのような背景をお持ちの人で、その今がどのタイミングかによっても異なります。以下に各条件によるインプットとアウトプットの比率を表にしてみました。



概ね、このようになるかと思います。これを読んでいるあなたが大学3年生であれば、まだアウトプットを意識しすぎるよりは、むしろインプットを通して専門知識を身につけることが先決でしょう。一方で大学4年生の6月頃となったら、そろそろアウトプットを中心に問題を解いていきながらインプットを行なっていく学習方法に変えていくのが良いかもしれません。そして本番まで一ヶ月を切ったら、過去問を時間通りに解答するなどして、本番に合わせて解答すること自体を学習していく必要があるでしょう。

 ◆インプットからアウトプットまで〜実は万能な用語説明カード(ノート)

受験の時期によってインプットとアウトプットの比率が違うことがわかったところで具体的な学習法について紹介していきましょう。どうせなら効率よく対策したいですよね。そこで今回紹介したいのが用語説明カード(ノート)です。目新しい勉強方法を期待していた方、ごめんなさい。色んなところで紹介されている方法だと思います。しかし、この用語説明カード(ノート)、インプットからアウトプットまで幅広く使うことができるんです！

◯用語説明カード(ノート)の作り方
用語説明カード(ノート)は、その名の通り、専門用語の説明をカードやノートに自分で作っていく学習方法です。

作成のポイントは以下の5つのステップです。

1. 説明の冒頭に定義を明記する
   その専門用語はどのような意味を指すのか、定義を簡潔に記載しましょう。専門書や心理学辞典や心理学事典、ハンドブックなどを参考に定義を書いてみるのがオススメです。複数の参考書をみると共通で書かれている内容と、参考書によっては書かれていない内容とに分けることができます。共通で書かれている内容を中心にまとめていくと、知識に偏りが生じなくて良いでしょう。
2. 論理的であることを心がける
   「相手にわかりやすく説明する」ことを意識して、理解してもらうにはどんな順序でまとめたらいいのかを考えてみましょう。
3. 分野別に分ける
   ランダムに用語をまとめていくと、用語同士の繋がりがなく、膨大にある専門用語を全部まとめるなんてとても無理だと感じてしまいがちです。分野別に分けてまとめることによって専門用語同士の繋がりなども明確になり、カードを作成して行く中で、その分野について体系的に学習することができます。
4. 英単語もセットで覚える
   入試では英語の試験を課す大学院が多くあります。英語対策を兼ねて行うことで効率性を上げて行くことができます。
   
5. 繰り返し練習する
   まとめた内容を自分のものにするためには繰り返し行うことが大切です。回数を重ねることで記憶の定着を図りましょう。

1-4までの過程はインプット、5がアウトプットを意識した勉強のステップになります。単に専門書を見て覚えるだけでなく、手を動かすことでインプットが捗ります。そして、できたものをとことん活用することでインプット→アウトプットの導線が出来上がります。

◯どんなふうに活用する？用語説明カード(ノート)の活用法
用語説明カード(ノート)の活用法としては、タイムトライアルをしてみるのも良いでしょう。200字説明を何分で書くことができるか？というようにトライしてみると、本番の時に語句説明にどのくらいの時間が必要なのかが明確になります。入試本番で何にどれだけ時間を使うのか、本番の時の戦略を組み立てるのに役立ちます。
また、机に向かって書いている時間がない、という時もあるかと思います。そういうときは単語を声に出して自分に説明してみましょう。想像の中で誰かに用語の説明をする気持ちになって声に出すことがアウトプットにつながります。電車の中や移動中に誰にも気づかれないくらいの声量でチャレンジしてみるのも良いでしょう。

 ◆受験生の落とし穴、「インプットへの執着」

具体的な勉強方法について紹介してきました。さて、ここで一点、受験生がよくしてしまいがちな落とし穴を紹介したいと思います。
それは、「インプットにばかり執着してしまってアウトプットまで辿り着けない」という落とし穴です。

◯気づいたら本番直前…
自分に知識が定着しているか不安になってしまっている方はいませんでしょうか？そのような方は、自分になかなか自信を持つことができず、参考書を読んだり用語の暗記ばかりに時間を費やしたりしてしまうかもしれません。気をつけなければならないのが、インプットばかりが気になってしまい、アウトプットを中心とした受験対策ができないまま、気がついたら試験直前を迎えてしまったということです。この落とし穴にハマらないように考え方を変えてみて、アウトプットを取り入れたインプットをしてみましょう。
◯「アウトプットを取り入れたインプット」も勉強方法の一つ
志望校が決まり、過去問からどんな分野の問題がよく出るのかを確認された方や、専門書を一通り読み、大まかな専門用語を身につけた方からアウトプットを取り入れたインプットを意識してみましょう。具体的には、問題を解いてみて間違った問題を中心に解説を読み込む。そこで解答に辿り着くまでの道筋や必要な知識を覚え直す。また問題を解いてみる。というサイクルです。

いかがでしたでしょうか？
入試対策は人それぞれの状況やペースがあるかと思います。自分はどうなんだろう？と気になった方は最寄りのKALSのチューターに予約を入れて相談してみてください。皆さんのご利用をお待ちしています！